MS幹部が語る、サイバーセキュリティ強化の鍵は人材の多様化–AIが果たす役割とは
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サイバーセキュリティという言葉には昔から、暗いマイナスのイメージがつきまとっており、破滅的な事態が差し迫っているという、恐怖に満ちた論調で語られる場合もしばしばある。
しかしMicrosoftのコーポレートバイスプレジデント(セキュリティ/コンプライアンス/アイデンティティー/マネジメント担当)であるVasu Jakkal氏は異なる現実を思い描いている。サイバーセキュリティがあらゆる人々の生活や、あらゆる仕事に欠かせないものになってきている中、同氏はその性質が恐怖から希望へ、そして排他から包摂へ、さらには停滞から革新へと向かう可能性を見いだしている。同氏によるとこのような変化は、単なる希望的観測ではなく、必要不可欠なものだという。
同氏は最近のインタビューの中で「われわれはセキュリティを語る際、恐怖に満ちた暗い論調ではなく、希望に満ちた、革新的かつ楽観的な論調にしていく必要がある。それにはいくつかの理由がある。真っ先に言えることとして、セキュリティはイノベーションにとって一番の原動力であり、人々にインスピレーションや活力を与えるものでなければならない(中略)われわれがあらゆる人々を巻き込めない場合、つまりセキュリティを排他的で恐怖に満ちたものだと考え続ける場合、人々が防御陣営に参入できないような壁を作り出すことになる」と述べた。
同氏のビジョンにおいて最も重要なのが、サイバーセキュリティ分野における多様化だ。同氏は多様化が革新的な思考に向けた道を開き、サイバー脅威に対するさまざまな防御戦略を生み出す鍵だと捉えている。サイバー犯罪者らはさまざまな背景や思考を有しているため、防御側も同様に多様な背景や思考を備えていなければ、この果てしない戦いにおいて常に後手に回ることになる。
また同氏は、人工知能(AI)が防御側にとってパワフルなツールになると考えており、AIがサイバーセキュリティ分野の現状を作り変える上で役立つと主張している。生成型AIが登場したことで、今まで以上にさまざまな人々がサイバーセキュリティに取り組めるようになるという、パラダイムシフトが生み出されている。
同氏は「生成型AIを搭載したツールにより、英語(自然言語)が最も強力なプログラミング言語となった。その結果、より多くの人々がセキュリティに取り組めるような流れが自然に生み出されてくる」と強調した。
その一方で同氏は、サイバー犯罪者によってAIが悪用される可能性についても認識している。サイバー犯罪者がAIの力を知らないはずはなく、あらゆるツールを好き勝手に利用するだろう。同氏は、こういった脅威に対抗していく上で、サイバーセキュリティ分野は常に一歩先を進むための努力を怠ってはならないと主張している。