クリックテック、2024年度の事業戦略を発表–“新生Qlik”でロゴも刷新
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クリックテック・ジャパンは3月26日、2024年度の事業戦略を報道機関向けに説明した。Talendとの統合が2023年内に完了し、2024年1月からは“新生Qlik”としてロゴも新たにしてグローバル戦略を推進していくとしている。
カントリーマネージャーの今井浩氏は会見で、「ビジネス成果を得るためには、まずデータを収集し、その意味を把握する必要がある。次に、データの信頼性と安全性を確保し、誰もが分析可能にすることで、ビジネスの状況に合わせた形で情報を変換し、得られた洞察を実際の行動に移すことが重要になる」と言い、新生Qlikでは、データと成果の間にあるデータパイプラインのギャップを埋めるためのサポートを提供すると強調した。また、AIを活用してデータパイプラインの全てのプロセスを自動化し、効率化を図ることで、ビジネスの成長を加速させることができるとしている。
Qlikはもともとビジネスインテリジェンス(BI)ツールのベンダーとしてのイメージが強かったが、Talendの買収などのように近年はデータ統合やデータ品質など、データエンジニアリングの領域にも広げている。「従来のBIと呼ばれる部分は(Qlikのビジネスの中の)ほんの一部だ」と今井氏は語る。
直近の動きとしては、AI駆動型のデータ管理技術を提供するMozaic Data(2023年12月)と、生成AIを活用した回答エンジンを提供するKyndi(2024年1月)の買収を発表している。また2月には、企業のAI導入を促進する「AI Council」を設立した。「AIにおけるソートリーダシップを目指す」と今井氏はアピールする。
同氏はまた、「AIの活用には近代化されたデータファブリックが必要」だと指摘し、企業のAI戦略を支援するソリューション群として「Qlik Staige」も紹介した。
日本での事業アプローチについては、(1)SAPデータの価値向上、(2)パートナー戦略、(3)カスタマーサクセス――の3点を挙げた。
今井氏は、QlikとAmazon Web Services(AWS)が2023年に共同実施したグローバル調査に触れ、SAPデータの価値向上を優先事項とする日本企業が9割を超えていると説明。その一方で、SAPのデータをビジネスに上手に使えていないのが実態であると指摘した。
Qlikでは、パートナー企業との協力の下、SAPデータの分析を加速するアクセレレーターパッケージを提供しており、SAP内外のデータを視覚化し、データを行動につなげられるように支援する。これによって、「SAPを導入する企業のビジネスに貢献する」と今井氏は話す。
パートナー戦略では、技術パートナーや販売パートナーと共にエコシステムを築き上げ、展開可能なポートフォリオを拡大し、クロスセルやアップセルの機会を増やしていくとする。
カスタマーサクセスの取り組みについては、顧客の声を積極的に発信していく。2023年には、本田技研工業が「Global Transformation Award」を受賞し、「日本市場の存在感をグローバルにアピールできた」(今井氏)という。同氏によると、2024年も日本企業がノミネートされているとのこと。
最後に、日本市場への投資として、東京クラウドリージョンの開設も明らかにされた。これにより、日本国内にデータが存在することが保証され、海外の法的規制や地政学的リスクを回避することが容易になり、より安定したシステム運用が可能になる。
また、「Qlik AutoML」や「Qlik Application Automation」など、同社がクラウド上で提供する最新機能を活用することで、データレジデンシーを要件とするシステムの開発・調達が可能になるとしている。地理的に近い地点にデータが存在することで、データへのアクセスがより迅速になり、低遅延性(レイテンシー)の改善も期待される。