ウクライナ、衛星画像の提供を各社に要請–ロシア軍追跡のため
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ウクライナ高官らは世界の商用衛星通信事業者などに対し、ロシアによる侵攻からの防御を支援するため、宇宙からの衛星画像を提供するよう要請している。
ウクライナのMykhailo Fedorov副首相は、民間宇宙開発企業や衛星画像サービス企業など8社の幹部に宛てた書簡で、「ロシア軍の動きを確認するための有利な状況が特に夜間にどうしても必要だ」としている。「日中はウクライナ上空の約80%を雲が覆っていることを考えると、SAR衛星データは、夜間にロシア軍と車両の動きを把握するために重要だ」(Fedorov副首相)
また、データをウクライナ軍と、起業家Max Polyakov氏が創業したEOS Data Analytics(EOSDA)に提供するよう要請している。EOSDAも現地時間3月1日、独自に支援を要請した。同社は衛星画像解析などを手掛ける。
同社は声明で、「EOSDAはプラットフォームをアップデートし、軍事情勢をすぐに解析できるようにしている」とし、「データはリアルタイムで処理、解析され、ウクライナの国防軍と人道支援組織と共有される」と述べている。同社はウェブサイトにポータルを設置し、データの提供を呼びかけている。
Planet、Maxar、BlackSky、Capella Spaceなど複数の企業がFedorov副首相の要請を受け、ロシア軍の動きを示す画像をソーシャルメディアで公開したほか、報道機関に共有している。
Fedorov副首相は声明の中で、これまでにElon Musk氏やAppleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏がウクライナを支援していると言及した。Musk氏のSpaceXは、衛星インターネットサービス「Starlink」をウクライナで利用できるようにするため、送受信機を提供した。Appleはロシアで同社製品の販売を停止した。「Apple Pay」の利用を制限したほか、ウクライナで市民を守るために「Apple Maps」の一部機能を無効にしている。
Fedorov副首相は、「これは、商用の衛星画像が、軍隊の動きに関するオープンソース情報の提供で非常に重要な役割を果たす可能性のある初めての大きな戦争だ」としている。