サステナブルな社会を創っていくために私たちが今やるべきことは何か
今回は「サステナブルな社会を創っていくために私たちが今やるべきことは何か」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、松岡功の一言もの申す等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
サステナブルな社会を創っていくために私たちが今やるべきことは何か。富士通が先頃発表したサステナビリティートランスフォーメーション(SX)に関する調査レポートから興味深い内容を取り上げるとともに、この機会に「消費モデルを転換せよ」という筆者の見解を説明したい。
改めて、サステナブルおよびサステナビリティーとは、環境、社会、経済など多岐にわたる持続可能性、すなわち持続的な発展を意味する。SXは、その持続可能性により良いインパクトを与えるために、企業や行政などによるさまざまな活動を変革する動きを指す場合が多い。そして、SXを推進していくために欠かせないのが、デジタル技術であり、デジタルトランスフォーメーション(DX)という動きだ。
このSXの動向や実態を把握するため、富士通が世界9カ国のビジネスリーダー(経営層や意思決定者)1800人を対象に調査を実施し、その分析結果をまとめた「Fujitsu Future Insights グローバル・サステナビリティ・トランスフォーメーション調査レポート 2023」を公開した。興味深い内容ばかりだが、ここではその中から2つの結果を紹介する。
1つ目は、経営におけるサステナビリティーの優先度を示した図1だ。上段の円グラフでは、80%のビジネスリーダーがサステナビリティーを経営におけるトップ5の優先課題に位置付けていることが見て取れる。また、下段の棒グラフでは、この1年間で優先度が高まった経営課題のトップ3にサステナビリティーが入っていることを表している。これらの結果から、富士通では「サステナビリティーは今や、従来のCSR(企業の社会的責任)の名のもとで推進された社会貢献活動としてではなく、経営者が取り組むべき重要課題として認識されている」との見方を示した。
2つ目は、企業におけるSXの進ちょくを示した図2だ。上段の棒グラフでは、43%の企業がサステナビリティーのビジョン策定以前の段階であることが判明。取り組みの成熟度が進み、事業の一環として戦略の実行に着手している企業は22%という結果だ。また、下段の円グラフでは、SXで成果を上げている企業は27%にとどまっている結果となった。これらの結果から、富士通では「多くの企業がSXの取り組みの途上にある」との見方を示した。
富士通では今回の調査結果を踏まえ、企業におけるSXの成功要因として、「サステナビリティーを志向したパーパスに基づく経営」「顧客・従業員の共感を醸成」「サステナビリティーをビジネスと一体化して推進」「サステナビリティーとデジタルのツイン・アプローチ」の4つを挙げた(図3)。
この中で、筆者が注目したのは、サステナビリティーをビジネスと一体化して推進することだ。なぜ、注目したのか。そこから筆者の見解を以下に説明していきたい。