ビジネスとITのスキル両立が鍵–これからのITプロフェッショナル
今回は「ビジネスとITのスキル両立が鍵–これからのITプロフェッショナル」についてご紹介します。
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今変革が進んでいるのは、技術面でのデジタル化だけではない。デジタルの世界を構築している人々の役割や将来を再構成する、キャリアの変革も深いレベルで進んでいる。そのことが、技術者のキャリアにも多少の混乱を引き起こしている。これは、ITプロフェッショナルに、技術的な知識を深めるよりもビジネススキルを身に付けることが求められるようになっているためだ。
IT担当役員やITプロフェッショナルの仕事は、よりビジネスに重きを置いたものに進化しつつあるが、技術的なスキルが不要になったわけではない。Booz Allen HamiltonのシニアバイスプレジデントHaluk Saker氏は、中には「技術の導入やイノベーションの現場に居続けたいと考える技術者」もいるが、それはそれで構わないと述べている。「企業は、高度な技術力を持つリーダーを歓迎しており、役員レベルの議論や意思決定を行うことができる、ベテランITエンジニアの価値を認識しつつある。技術畑にとどまり続けたいと思っている積極的な技術者にとっては、技術的なリーダーシップを重視する企業や組織文化を見つけることが重要になるだろう」
テクノロジーによって問題解決を行う際に重要になるのは、「新しい修正内容や、新しい機能ではない」とSaker氏は言う。「これからのリーダーには、技術的な専門知識と、ミッションに対する本気の取り組みを両立させる、二足のわらじが必要になる」
ITプロフェッショナルのルネッサンス時代の幕開けだ。これからの技術者には、2種類のスキルを持ち、技術と人間の両方の視点から問題を見る能力が求められるようになる。ビジネステクノロジーの専門家の意見は、2020年代のビジネスがそれを必要としているという点で一致している。
技術的なスキルに対する要求がなくなったわけではないが、単純なコーディングや、システム統合や、システムの性能を最適化することに重点を置く状況は変化し、ビジネス価値を実現することが技術者の役割に含まれるようになった。業界の識者らは、技術者にビジネスについて知ることを勧めている。Duck Creek Technologiesの最高技術責任者(CTO)を務めるNag Vaidyanathan氏は、「自分たちの製品やソリューションが、組織の中でどんなサイクルを経るかを決めるのは、財務や、業務プロセスや、その他の戦略であり、それらについて学び始めることは重要だ」と述べている。「他の部門とどのように連携するかが、成果に大きな影響を与える」
「私の専門はソフトウェア開発で、キャリアの大半を、0や1をどう扱ったらいいかを考えながら過ごしてきた」とSaker氏は言う。「今日では、クラウドのような技術やその他のデジタル的な機能が使えるようになったため、開発チームの仕事は以前とは大きく変わっており、ユーザーも力を付けてきている。ユーザー体験とデザインが、以前にも増して重要になった」
2020年代にも前進し続けるには、「ITプロフェッショナルが、創造的に問題解決を行う能力を持つ者としての自分に、忠実であり続けることが重要だ」とVaidynathan氏は言う。「私たちは新しいことを学んだり、試したり、失敗したりすることに慣れている。私たちはまた、共同作業や繰り返すこと、常に改善し、常により良いソリューションを生み出すことにも精通している」