「Ruby on Rails 8」正式リリース。SQLiteを本番DBとして利用可能に。今後は6カ月ごとに新バージョンをリリース

今回は「「Ruby on Rails 8」正式リリース。SQLiteを本番DBとして利用可能に。今後は6カ月ごとに新バージョンをリリース」についてご紹介します。

関連ワード (今年、構築可能、生成等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


Rubyを用いたWebアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」の最新バージョン「Ruby on Rails 8.0」(以下、Rails 8)の正式リリースが発表されました。

Rails 8.0: #NOBUILD, #NOPAAS, all-in on SQLite as a production database option with jobs, cache, and cable, new authentication generator, and so much more! Final release is out https://t.co/qom10worLW

— DHH (@dhh) November 7, 2024

Rails 8では、いままで高速なデータ操作のために必要とされてきたRedisおよびMySQLやPostgreSQLなどを用いることなく、SQLiteだけで本番用データベースをまかなうことが可能になっています。

Rails 8の新機能については、作者であるDHH氏がRails World 2024の基調講演で紹介した内容をまとめた記事「DHH氏がRails 8の新機能を解説。Redisなど不要になり、SQLite対応でよりシンプルな構成に。Rails World 2024」を先月(2024年10月)公開しています。

その内容をあらためてまとめましょう。

認証機能のコードを生成

Rails 8では認証機能をコード生成によって提供します。プログラマは自分で認証機能を実装する必要はなく、生成されたコードを見ることでどのような認証処理が行われているかを理解できます。

Rails 8の新機能Authentication(認証)のコード生成

JavaScriptとCSSをWebブラウザに効率的に配信するために、これまでのSprocketsに変わってPropshaftと呼ばれるアセットパイプラインツールがデフォルトで採用されます。

SQLiteで本番用データベースを構築可能

Rails 8ではプライマリデータベース、キャッシュ、キュー、ケーブルのすべてがSQLiteでまかなえるようになったとコンフィグレーションが示されました。それを実現するのがSolidツール群です。

Rails 8ではプライマリデータベース、キャッシュ、キュー、ケーブルのすべてがSQLiteで

Solid Cableは、SQLiteを用いてもインメモリデータベースのRedis並の速度で通信メッセージをリレーするPubSubサーバを実現できます。

Solid Cacheは、これまでRedisやMemcachedなどのインメモリデータベースにHTMLフラグメントをキャッシュしていた仕組みを、SQLiteで置き換え可能にします。

Solid Queueはジョブ管理のためのツールです。これまで必要だったRedisを不要にし、MySQL、PostgreSQL、SQLiteのメジャーなデータベースで高速性を実現します。

新しいHTTP/2プロキシやデプロイツール

高速でセキュアな通信を実現するHTTP/2プロキシである「Thruster」と、クラウドやコンテナやさまざまな環境に簡単にデプロイできるデプロイツール「Kamal 2」も採用されました。

参考:Railsを高速かつセキュアにするHTTP/2プロキシ「Thruster」、37signalsがオープンソースとして公開

今後は6カ月ごとに新バージョンが登場

これまでRailsは不定期にバージョンアップが行われてきましたが、今後は6カ月ごとにバージョンアップが行われ、2年間のセキュリティルールが適用されることなども発表されています。

  • 新機能を含む新バージョンを6カ月ごとにリリース
  • マイナーリリースでは最初のリリースから1年間のバグ修正
  • マイナーリリースでは最初のリリースから2年間のセキュリティ修正

例えば、今年8月にリリースされたRails 7.2(Rails 7.2.x)では来年(2025年)8月までバグ修正が、再来年(2026年)8月までセキュリティ修正が提供されます。

今回のRails 8も来年11月まではバグ修正が、再来年11月まではセキュリティ修正が提供される見通しです。

よりシンプルな構成で本番環境に対応し、上記のように明確なリリーススケジュールが定められたことで、Railsは以前よりも企業にとって導入しやすいフレームワークになることが期待されます。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
無料で読めるITまんが 2023年版
おもしろ
2023-08-09 18:49
ドコモと徳島県、5Gなど活用の遠隔医療支援システムを県立病院に導入
IT関連
2021-03-23 03:26
北海道森町、Teamsを使った電子契約の実験を開始
IT関連
2021-08-17 15:37
2024年に迫る「医師の働き方改革」、医療従事者の勤怠管理をシステム化
IT関連
2022-02-04 04:38
フェイスブックがトランプ前大統領の利用を2年間禁止に、有名人の利用禁止措置ルールも変更
ネットサービス
2021-06-06 10:22
マイクロソフト、「.NET 8」正式リリース、2年ぶりのLTS版。Dynamic PGOによる最適化コンパイル、事前コンパイルのバイナリサイズが半分など、さらなる高速化が前進
.NET
2023-11-15 11:57
変化する企業とクラウド時代のセキュリティ対策最適解とは–オンラインセミナー開催
IT関連
2024-09-10 19:42
アンソニー・リン氏が暫定就任から6カ月でIntel Capitalの正式な社長に
その他
2021-02-22 17:19
ENEOSマテリアルと横河電機、化学プラントに自律制御AI導入–品質と省エネを重視
IT関連
2023-04-01 10:35
核融合炉の心臓部(ブランケット)において900度で機能する液体金属の合成に成功、腐食に耐える構造材も発見
IT関連
2022-03-01 07:21
第1回:ソフトウェアベンダーへの不正アクセスを検証する
IT関連
2021-07-06 00:35
三菱商事、生成AI活用による経理業務改革を実証–PwC税理士法人が支援
IT関連
2024-07-28 19:40
NEC、「GPRIME行政経営」のクラウド環境にOCIを採用–2026年度にサービス開始へ
IT関連
2024-10-11 20:04
データ管理がランサムウェアの脅威に有効な対策となる理由
IT関連
2022-05-31 04:24