NTT Comと富士通が語る「国際情勢の変化を踏まえた脱炭素やサステナビリティー経営の行方」
今回は「NTT Comと富士通が語る「国際情勢の変化を踏まえた脱炭素やサステナビリティー経営の行方」」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、NTTコミュニケーションズ 代表取締役副社長 副社長執行役員の菅原英宗氏と、富士通 執行役員常務 CSOの梶原ゆみ子氏の発言を紹介する。
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は先頃、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みについてオンラインで記者説明会を開いた。菅原氏の冒頭の発言はその会見の質疑応答で、ロシアのウクライナ侵攻によって国際情勢が混沌としていることを踏まえ、企業における脱炭素化への動きが棚上げや後ろ倒しになるのではないかと聞いた筆者の質問に答えたものである。
菅原氏はまず、NTTグループとして2021年9月に打ち出した環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」について紹介。「事業活動による環境負荷の削減」と「限界打破のイノベーション創出」を通じて、環境負荷ゼロと経済成長を同時に実現するとし、「2040年度までにカーボンニュートラルの実現を目指す」と宣言している。
NTT Comのカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みについては、自らのグリーン化を図る「Green of ICT」と、社会や顧客企業のグリーン化を支援する「Green by ICT」の両面で活動。Green of ICTについては図1に示した4つの分野の取り組みに注力するとし、Green by ICTについても図2に示した4つのテーマに向けてグリーントランスフォーメーション(GX)ソリューションを提供していく構えだ。
なお、同社は今回の会見で、図2の左下に記した「データセンターにおける再生可能エネルギーの提供」に対応した新サービスも発表した。
さて、会見の質疑応答で混沌とした国際情勢を踏まえて聞いた筆者の質問に対し、菅原氏は次のように答えた。
「昨今のウクラウナ情勢についてはもちろん注視しており、まずは当社が提供している通信環境に支障がないように全力を挙げている。もし、問題の解決が長期化した場合、当然ながら経済をはじめとしてさまざまなところに影響が及ぶ可能性もあるだろうが、脱炭素化をはじめとした環境対策については目標に向けて前進し続けなければならないと考えている」
冒頭の発言は、このコメントから抜粋したものである。おそらく想定問答にはなかった質問だったと思うが、改めて環境対策における同社の企業姿勢を聞くことができた。
このところ、自社の環境対策をPRしようと会見を開く企業が相次いでいるが、おそらく少なからず影響が出てくるであろう昨今の混沌とした国際情勢との関連についても見解を聞かせてもらいたいものである。