ランサムウェア対策にバックアップアプライアンスも–巻き返しを図るベリタス
今回は「ランサムウェア対策にバックアップアプライアンスも–巻き返しを図るベリタス」についてご紹介します。
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ベリタステクノロジーズは、国内でのマーケティング活動を強化する。代表執行役員社長の四條満氏は、「最新製品の『NetBackup 10』を中心に、エンタープライズユーザーが直面する課題を解決できるソリューションを提供している。日本ではこの2年間、最新製品のアピールが十分ではなかった。既存製品の強化、買収により加わった新ソリューションなど、新時代のデータバックアップを実現していることを改めてアピールしていく」と強調する。
特に、日本でも被害が拡大しているランサムウェア対策のニーズが高まっていることから、データの改変が難しいアプライアンス製品を他社製バックアップソフトユーザーも含め販売するなど、ユーザー拡大を進める。
現在の課題について四條氏は、「ベリタスは30年以上、データ保護・管理分野のリーダーの位置にいる。しかし、ITインフラの変化が大きかったこの2年間は、国内で(市場に対して)コミュニケーション不足になってしまった」と話すが、「提供しているソリューション自体は、エンタープライズユーザーが直面する課題にきちんと応えている」ともアピールする。
四條氏によれば、「ITインフラの変化、データ量の爆発的増大といった変化に合わせて、クラウド時代に最適なアーキテクチャーと提供モデルを用意しているとする。特に主要製品である「NetBackup」は、エンタープライズユーザー向けのデータ保護ソリューションとして、次の3点を特徴に位置付ける。
テクノロジーソリューション部ディレクターの高井隆太氏は、最新版の「NetBackup 10」について、「製品強化と買収製品がベリタスブランドになり、さらにNetBackupに統合したことでアーキテクチャーが刷新され、より使いやすく強力なソリューションになった。バックアップソリューションには有事にリカバリーを行う際、別途料金が発生する製品もあり、NetBackupはリカバリー含めて製品から利用できる」と話す。
NetBackup 10以前のバージョンをそのまま利用しているユーザーが多いことから、NetBackup 10の機能が有用であることを訴えて、バージョンアップするユーザーを増やしていく。具体的な機能としては、コンテナー化、マイクロサービスによる構成でのスナップショット管理を実現する。Kubernetesの保護の強化、Software as a Service(SaaS)データの保護の統合も行っている。マルウェアスキャンのイベントベースでの実行、クラウドのオブジェクトストレージも利用できるようになった。
今後予定する機能の向上には、人工知能(AI)ベースの自動化や最適化の実現を挙げる。また、セルフプロビジョニング、セルフコンフィグレーション、セルフ最適化、セルフサービスの実現――など、自律的なデータ保護と管理を実現していくという。
「サイバーレジリエンシーは、AIによる異常検出に加え、リスクスコアが高いものを自動スキャンすることで、クリーンなデータであることを証明するなどの対策を行う。マルチクラウドについては、クラウドの特性を考えてOS、ソフトウェアを固定で決めて保護するのではなく、弾性をもって状況を見ながらデータを保護していく。コンテナーベースで機能を動かすことにも対応する。運用も、できるだけ人の手をかけない方法を進める」(四條氏)
また、新たなユーザーの獲得策として、日本でも被害が広がっているランサムウェアの対策にアプライアンス製品をアピールする考えだ。ランサムウェアは、バックアップデータも攻撃対象とするが、ベリタスはデータの改変が難しいハードウェア製品をラインアップしていることから、これを打ち出していく。
四條氏は、「これまでアプライアンス製品は、当社の直接販売ではなくOEM(相手先ブランドによる製造)パートナー経由で販売されてきたことから、認知度が低かった。しかし、重要なデータを守るためには有効な対策であり、ベリタスユーザーはもちろん、場合によっては他社のバックアップソリューションを利用しているユーザーも含め、ベリタス製品としてアピールしていきたい」と述べている。