日立製作所、「Lumada」を全社売上の半分以上に–「違和感なし」と首脳陣
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日立製作所は6月13日、「Hitachi Investor Day」を開催し、その中で、将来的に「Lumada」の売上構成比を50%以上に高める方針を明らかにした。
2022年度のLumada事業の売上収益は1兆9600億円で、全社売上収益に対して約4分の1となる26%を占めるまでに達している。また「2024中期経営計画」の最終年度となる2024年度の計画では全社売上収益8兆円に対し2兆6500億円と全体の33%を占め、3分の1の構成比に拡大する計画だ。
副社長兼CFO(最高財務責任者)の河村芳彦氏は、「時期は明確ではないが、この比率が5割、5割超、場合によっては7割、8割になる。Lumada収益率は他事業に比べ高く、Lumadaのポーションが上がれば、全社収益率が高まる」と語った。
また社長兼CEO(最高経営責任者)の小島啓二氏は、「日立製作所がLumada事業を中心に置くことに対しては全く違和感がない。日立が持つ多様なITとOT(制御系システム技術)、プロダクトを組み合わせることで、他社よりも魅力的なソリューションを生み出し、社会イノベーション事業のサステナブルな成長を実現できる」と述べたほか、副社長 デジタルシステム&サービス統括本部長の徳永俊昭氏は、「Lumada事業を成長させていくことが日立全体の成長につながる。データとテクノロジーを活用して事業を強化し、社会イノベーションを通じて価値提供することが日立の強みだとすれば、必然的にLumada事業の構成比が増えることになる。過半がLumada事業になるというのは想定できる姿」とコメントした。
小島氏は、これまでの約10年間にわたる大胆な「構造改革モード」から、経営を「成長モード」へとシフトすると発言。その成長エンジンにLumadaを据えることを明言してきた。だが、売上構成比の半分をLumadaが占めるというのは、今回の説明会に参加したアナリストにとっても想定外だったようで、質疑応答の中では、「Lumadaが売上収益の半分を占めることは想定しにくい」という声も挙がっていたほどだ。
しかし、今回の説明では、「5割」という指標を示すことで、これまで以上に力強いLumadaの成長戦略を打ち出したともいえる。小島氏は、「日立製作所がビジネストランスフォーメーションを進める上で、最も効果が出るようにLumadaの定義をフレキシブルに見直していくことも考えている」と語るが、日立の成長戦略を支えるのは、名実ともにLumadaであることを示した格好だ。
Lumada事業の推進役が「デジタルシステム&サービス」(DSS)セクターになる。同セクターを指揮する徳永氏は、「DSSが日立全社のLumada事業の成長をけん引していく」と述べる。
同社がLumadaで注力するデジタル市場領域には、エネルギー、交通・物流、金融、政府・地方自治体、通信・メディア、製造の6つが挙げられ、その上でDSSセクターが、顧客の課題を直接解決する「Digital Centric」モデルと、グリーンエナジー&モビリティー(GEM)セクターおよびコネクティブインダストリーズ(CI)セクターが、DSSと一体になって顧客の課題を解決する「One Hitachi」モデルを両輪として、Lumada事業の成長戦略を推進する考えを示した。