レッドハット社長が説く「企業が推進するDXの新たなステージ」とは
今回は「レッドハット社長が説く「企業が推進するDXの新たなステージ」とは」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、レッドハット 代表取締役社長の岡玄樹氏と、BeeX 代表取締役社長の広木太氏の発言を紹介する。
米Red Hatの日本法人レッドハットは先頃、2022年度(2022年12月期)の事業戦略についてオンラインで記者説明会を開いた。岡氏の冒頭の発言はその会見で、同社の事業戦略のベースとなる市場の動きについての見方を示したものである。
企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が新たなステージに入ったとは、どういうことか。岡氏は図1を示し、次のステージが訪れたDX推進の鍵として「あらゆるクラウドの活用」「アプリケーションのクラウド対応」「組織、プロセス、スキル」の3つを挙げ、それぞれ次のように説明した。
「1つ目のクラウド活用については、以前ならばクラウドに対して信頼性や投資効果などの点で不安視されることもあったが、今ではそんな不安もなくなり、DXを推進する上でクラウドを利用するのが当たり前になってきた。最近ではさらに複数のクラウドサービスを巧みに使いこなす企業もどんどん出てきている」
「そうした中で、企業がこれまで抱えてきたアプリケーションをモダナイズし、クラウドに対応させる動きも出てきた。すなわち、コンテナー技術の活用だ。これが2つ目。そして3つ目に組織文化やプロセス、スキルを挙げたのは、今後クラウドを活用し人工知能(AI)がさまざまなところで使われるようになってくると、これらにも『スピード』という要素が不可欠になると考えている」
これら3つが同社の考える「DXが新たなステージに入った理由」である。そして同社はこれらの見方をベースとして、2022年度のビジネス戦略を図2のように描いている。左からキーワードを挙げると、「オープンハイブリッドクラウド」「コンテナー」「アジャイル」となる。このビジネス戦略をはじめとした会見全体の内容については速報記事をご覧いただくとして、以下では、2021年1月に同社の社長に就任した岡氏が、この1年余りで感じた経営者としての手応えを会見の質疑応答で述べたので紹介しておこう。
「手応えは大いに感じている。最も感じているのは、Red Hatと言えばLinuxディストリビューターのイメージがお客さまにとっても依然として強いと思っていたが、お話ししてみると『こんなこともやっておられるんですね』と言われるケースが多々あることだ。その『こんなこと』で多いのは、コンテナー技術の活用とアジャイル開発のノウハウの伝授。アジャイルについてはビジネスアジリティーへと話が広がり、ぜひ指導してほしいとの依頼が増えている。こうしたことから、当社の果たすべき役割は大きく広がっていると実感している」
この岡氏の手応えからすると、同社も新たなステージに入ったようだ。今後の同氏の経営手腕に注目したい。