AWSが“駆け出し”のCTOを支援する新たなプログラム
今回は「AWSが“駆け出し”のCTOを支援する新たなプログラム」についてご紹介します。
関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
アマゾン ウェブ サービス(AWS) ジャパンは、5月25~26日に開催した「AWS Summit Online 2021」で創業間もないスタートアップ企業を支援する新たなプログラム「Startup CTO Dojo」を発表した。7月にスタートする予定で、その狙いや内容などをスタートアップ事業開発部 本部長の畑浩史氏に聞いた。
AWSとスタートアップ企業の関係は、AWSがIaaSを開始した2006年からと長く、これまでもさまざまな支援プログラムを展開。近年に政府レベルでスタートアップ支援策が整備される動きなどもあり、2021年には創業から間もない段階にあるスタートアップ企業に焦点を当てた支援策の強化を表明している。
畑氏は、AWSがスタートアップ企業を支援する理由を(1)AWS自体がAmazonからスピンアウトしたスタートアップだったこと、(2)スタートアップ企業の利用拡大とともにAWSの事業が拡大してきたこと、(3)現在のスタートアップ企業は最初からクラウドを利用するのでミッションクリティカルであること――と説明する。ただ、「スタートアップ支援がAWSのDNAみたいなもの」(畑氏)という。
今回の「Startup CTO Dojo」は、技術領域の支援を厚みにしているのが特徴だ。名称に「CTO(最高技術責任者)」とあるが、CTOの肩書きに限定しているわけではなく、いろんな課題技術責任者(以下CTO)が対象になる。
CTO対象の支援策もこれまで度々実施してきたが、畑氏によれば、特に創業間もない“駆け出し”のCTOは、責任者としての心構えや開発スピードを上げる方法、エンジニアの採用、組織や人材の育て方など多くの悩みを抱える。また、コロナ禍で交流機会も非常に少なく、同じ立場の横のつながりを求めているという。2021年12月にオンラインで実施した「CTO Night & Day」でそうした声が多数寄せられ、今回の「Startup CTO Dojo」を企画化。4月に実証を行い、参加した17社のCTOから高評価を得たことから、正式に立ち上げたそうだ。
7月からのプログラムは、4週間連続でビジネスの時間帯に4回のセッションを行う。AWSのスタートアップ支援専任チームやスタートアップのCTO経験者などが講師となり、技術領域では創業期に知っておくべき技術の選定、アーキテクチャーや開発体制などの基礎知識およびこれらの上級知識を解説する。非技術領域では、創業のスタートアップ企業が直面するエンジニア採用での課題と対応、またAmazonのノウハウを生かした企業文化の醸成と定着の方法を紹介するという。セッションの合間に個別相談も行う。
開催方法はオンラインを想定しているとのことだが、畑氏は、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着きを見せれば、実際の講義会場を組み合わせたハイブリッドで実施したいといい、感染対策など実現方法を検討している。
また講師も、参加者の立場に近く成長段階を歩んでいる企業のCTOなどを検討中とのこと。「最初はベテランCTOや有名な経験者を講師に考えたが、その内容では参加者にとって古いものでしかなく、今の状況になるべく役立つコンテンツを提供できるようにしたい」(畑氏)という。
セッション以外にも、Slackベースのオンラインコミュニティーの活動を予定。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着けば、リアルな交流も行いたいとしている。
参加条件は創業3年以内、ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達が1回以内、エンジニアが10人以内、1社につき1人などで、募集人員は100人程度。7月実施分の結果により、秋以降の開催も検討していく。
VCを中心とした創業間もないスタートアップ企業の支援は広がりつつあるが、事業計画や資金などのビジネス領域が中心であり、畑氏は「Startup CTO Dojoが技術面をサポートするので補完関係になるだろう」と話している。