「経営層もデジタルに触れて感じて」と説くUiPath日本法人CEOの思いとは

今回は「「経営層もデジタルに触れて感じて」と説くUiPath日本法人CEOの思いとは」についてご紹介します。

関連ワード (松岡功の「今週の明言」、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、UiPath 代表取締役 CEOの長谷川康一氏と、日本オラクル 事業戦略統括 事業開発本部 本部長の佐藤裕之氏の発言を紹介する。

 米UiPathの日本法人UiPathは先頃、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)ソフトウェアの最新版「UiPath 2022.4」を国内で提供開始すると発表した。長谷川氏の冒頭の発言はオンラインでのその発表会見の質疑応答で、ユーザー企業の経営層に対してRPAソリューションの利用を促すメッセージを求めた筆者の質問に答えたものである。

 会見の内容については速報記事をご覧いただくとして、ここでは冒頭の発言に注目したい。

 その前に、長谷川氏が「エンド・ツー・エンドの自動化プラットフォーム」と呼ぶRPAを軸とした最新のUiPath製品の全体像を紹介しておこう。図1がそれだ。同氏は、「従来のRPAの『開発』『実行』『管理』に加えて、自動化が可能な業務を見つけ出す『発見』と、ロボットと人の『協働』、そしてそれをきちんと管理・運営していくための『測定』と『統制』を行う製品の提供を始めている。また、(図1の下部に描かれている)プラットフォームとしては、SaaSの『オートメーションクラウド』やオンプレミスの『オートメーションスイート』を利用形態に応じて選択できるようになった」と説明した。RPAからの進化ぶりが一目で分かる図である。

 さて、冒頭の発言について。筆者の質問は、「RPAは広く使われるようになってきている一方、うまく効果を出せないで苦労しているという声も聞く。RPAをうまく利用するためのポイントを、ユーザー企業の経営層にも伝わるメッセージとして聞かせてほしい」というものだ。これに対し、長谷川氏は次のように述べた。

 「UiPath製品は今、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む多くのお客さまにご活用いただいている。なぜならば、ビジネスの最前線で活動している人たちのDXのためのツールとしてご評価いただけているからだ。企業がDXをうまく進めていくポイントは、ビジネスの現場にいる人たちがUiPath製品などのツールを使ってDXを『自分事』として取り組むカルチャーを根付かせることができるかどうかにあるのではないか。言い換えると、それがRPAなどのツールをうまく利用するポイントでもあるだろう」

 さらに、こう続けた。

 「一方で、自分事として取り組むカルチャーが根付かなかったり、異なるビジネス現場の間でDXの取り組みへの温度差があったりすると、RPAのようなツールを利用しても効果を出すのが難しいケースも出てくるかもしれない。また、ビジネスにおける過去の成功体験が、ビジネスそのものを変革するDXに対して拒否反応を起こす要因になっている可能性もある。経営層の方々はそうしたカルチャーや部門間での温度差、成功体験からくる拒否反応などをセンシティブに受け止め、自身がDXに真剣であることを示すためにも、例えばRPAによる自動化がどんなものか、ぜひとも自ら触れて感じてみていただきたい」

 同感だ。長谷川氏の意を受けて筆者の見解も添えさせてもらうと、経営層はDXにおいてテクニカルなことより、まずはビジネスをデジタル化することの意味をしっかりと理解すべきだ。そうすれば、何をやらなければならないか、見えてくる。そのためにも同氏が言う通り、自ら「体験」することは必須である。

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