トヨタの部品専門商社、ダイハツやSUBARUと共同配送–状況をリアルタイムに管理
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パナソニック コネクトは6月14日、複数の物流企業や事業所が連携した「共同配送」の課題を解決した事例を披露した。同社は2017年からサプライチェーン管理(SCM)ソフトウェアを開発したベルギーのZetes Industriesを子会社化し、2018年から「配送見える化ソリューション」を提供している。
トヨタグループで自動車部品を取り扱う専門商社であるトヨタモビリティパーツ(名古屋市熱田区)に導入した配送状況や配送作業をリアルタイムで可視化するシステムも、同ソリューションを用いた事例の一つだ。
物流業界には「2024年問題」と呼ばれる大きな課題を抱えている。働き方改革関連法の施行に伴う時間外労働の規制や運賃上昇、ドライバーの収入減少や離職による労働力不足などを指す。また、現場の非デジタル環境も業務最適化にはほど遠い。
これらの課題を解決するため、トヨタモビリティパーツが導入したのが、パナソニック コネクトのソフトウェア「ZETES CHRONOS(ゼテス・クロノス)」を活用した配送見える化ソリューションと、同社のハンドヘルド端末「TOUGHBOOK FZ-N1」である。
配送のリアルタイム管理や実績管理、他社用ラベルに対応することで共同配送を実現する。そもそも共同配送とは、1社による配送ではなく、複数の企業が同一の配送ラインで各企業の拠点に配送する仕組みだ。
トヨタモビリティパーツは修理部品を拠点や店舗に配送しているが、2020年6月からダイハツ工業やSUBARUなどと整備部品の共同配送を開始している。当然ながら各社は異なるシステムであるため、配送商品に付与するラベルの形式一つ取っても異なる。
パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 主幹 里平利彦氏は「異なる管理体系を自分たちのシステムに取り込むのか、同時に管理体制と両立するのかが一つの壁だった」と語り、ラベルをトヨタモビリティパーツ方式に統一することで問題を回避したと説明する。
同ソリューションの流れを簡単に紹介したい。
拠点に集荷した荷物をスキャンすると発行される専用ラベルを貼り付け、配送コースごとに仕分ける。あとはドライバーが荷物を積み込んで配送し、届け先では誤配送を避けるために2次元コードをスキャンして正否を確認する。なお、ドライバー不足に対して里平氏は「オペレーションの複雑化には抵抗があった。誰でも使いやすく、新人でも利用できるように協議を重ねて開発した」と説明している。
企業の管理側はZETES CHRONOSの管理画面から配送状況を確認できる。配送コース別やドリルダウンした巡回拠点の進捗状況を可視化。遅延発生時も各ドライバーによる電話報告が不要になり、迅速な対応が可能になると説明。地図にドライバーの位置情報をマッピングする機能も備えており、「気象情報や台風後の情報と照らし合わせ、検討策を講じる場面にも活用されている」(里平氏)という。
同社 モバイルソリューションズ事業部 事業開発部 Zetes事業課 課長 計盛大氏は「現場情報を把握するところから、オートノマス(自律的な)サプライチェーンがスタートする。今回の取り組みを通じてまい進したい」と意気込みを語った。同ソリューションは自動車業界にとどまらず、アルコールや冷凍食品、コンビニエンスストアなど食品業界でも利用され始めているという。