HPEは3年でサービス型企業への転身を完了–ネリCEOが宣言

今回は「HPEは3年でサービス型企業への転身を完了–ネリCEOが宣言」についてご紹介します。

関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Hewlett Packard Enterprise(HPE)は米国時間6月28日、ネバダ州ラスベガスで年次イベント「HPE Discover 2022」を開催した。基調講演に登壇した最高経営責任者(CEO)のAntonio Neri氏は、「アズ・ア・サービスカンパニーへの転身を完了した」と述べ、その中核となる「HPE GreenLake」の成功をアピールした。

 「約束の時がやってきた」――Neri氏は、3年前(2019年)のこのステージで、「3年以内に全ての製品を“アズ・ア・サービス”として提供する」と公言した。3年が経過し、コロナ禍の予期しない事態が世界を襲っているが、Neri氏は集まった8000人の顧客やパートナーを前に、「われわれは3年前の約束を実現し、全ての製品をアズ・ア・サービスで提供している」と胸を張った。

 それが実現したのは、「HPE GreenLake」というプラットフォームがあったから。HPE GreenLakeの起源は、分社化する前の旧Hewlett Packardだった2006年に発表した従量課金サービス「Utility Ready」プログラムにあり、2017年の欧州でのHPE Discoverイベントで、「HPE GreenLake」ブランドとして再出発した。

 その後、提供範囲も機能もサービスも拡大し、現在は「Edge-to-Cloudプラットフォーム」と位置付ける。2022年3月には、ネットワーク機器の管理ツールも加えた「HPEGreenLake for Aruba」を発表した。

 Neri氏によると、HPE GreenLakeの顧客数は6万5000社。12万人が同プラットフォームを使っているという。サービス数は70種類を超え、「GreenLake下でエクサバイト以上のデータが管理されている」とNeri氏は述べる。

 顧客で全米に約2300店舗を展開するDIYチェーンのThe Home Depotは、コロナ禍で急増したオンラインとリアル店舗での体験をシームレスに行き来できるようにする「One Home Depot」プロジェクトを進めている。ここでHPE GreenLake for Arubaを採用した。モバイル端末を手にした店員と来店客に快適な通信環境を整えている。「One Home Depot」を率いるHome Depotのテクノロジー担当バイスプレジデントのDaniel Grider氏は、「中央で管理しながら追加アクセスポイントの実装、無線信号の強弱を調整するなど、状況にすぐに対応できる」とHPE GreenLake for Arubaの長所を挙げた。

 Neri氏は、米国家安全保障局(NSA)やBMWなどの最新の顧客事例を紹介しながら、「HPE GreenLakeの発表時はハイブリッドクラウドの“聖杯”と言われたが、野心的な目標でもあった。だがわれわれの戦略が正しいことは実証されている」と話す。2022年第2四半期に、GreenLakeをはじめとしたアズ・ア・サービスの受注は前年同期比で107%増加、3四半期連続で倍増を記録している。

 競合のDell Technologiesなどもサービスラインを強化しているが、HPE GreenLakeの差別化としてNeri氏は、次の5つを挙げた。

 これに加え、パートナーエコシステムの拡大も進めている。「全てのAPIを公開しており、パートナーの機能をわれわれのプラットフォームに載せられる」とNeri氏。パートナーは、ディストリビューター、付加価値再販業者、ソリューションインテグレーター、ソフトウェア開発会社、サービスプロバイダーなど広範な企業が参加しているという。なお、HPEは会期中開催したパートナー向けイベントで、「HPE Partner Ready Vantage」を発表した。

 Neri氏は、「70%以上のデータがパブリッククラウドの外側にあり、50%以上のデータがエッジで生成されている」とした上で、2025年に1500億台の端末がインターネットにつながるという予想を示す。そして、「これらの端末が生成するデータ量は175ゼタバイド。その中には、リアルタイム処理しなければならないものも多く含まれる」と、市場の潜在性を示す。HPEは、2018年に「今後4年で合計40億ドルをエッジに投資することを明らかにしていた。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
クラウド基盤はバランスが大事–AWSがインフラ技術の進化を説明
IT関連
2022-12-01 10:20
買収意欲旺盛な宇宙インフラ企業RedwireがSPAC経由で株式公開へ
宇宙
2021-03-27 00:11
セゾン情報、「HULFT10」を発表–第1弾は「Amazon ECS」対応のコンテナー版を提供
IT関連
2024-02-14 01:18
MITが植物を実験室で植物の組織を培養する方法を開発、最終的には林業や農業の代わりに木材や野菜を生産
バイオテック
2021-01-22 09:43
マカフィー、「MVISION CNAPP」の一般提供を開始
IT関連
2021-04-22 18:56
EU諸機関によるAWSとマイクロソフトの各クラウドサービス利用について同プライバシー責任者が調査を開始
パブリック / ダイバーシティ
2021-06-08 11:34
ヤマダHD、全社で業務のデジタル化を推進–年300時間程度の作業時間を削減
IT関連
2022-06-11 13:33
「信頼できるAI」を目指す新興企業Mozilla.aiが誕生
IT関連
2023-03-24 12:37
コロナ対策に好評 オンライン結婚式 高齢者や遠隔地ゲストも
IT関連
2021-01-30 00:08
早稲田大学、押印廃止でアドビの電子署名サービスを導入–承認プロセスの見直し図る
IT関連
2022-09-28 04:16
無償で働くオープンソース開発者たちは自分の「力」に気づき始めている
IT関連
2022-01-26 18:50
IT産業がデジタルの可能性を引き出す新しい産業に生まれ変わる–日本ユニシスの平岡社長
IT関連
2021-03-26 17:05
風がシャツを突き抜ける! “腰に着ける扇風機”サンコーが発売
くらテク
2021-06-10 10:46
12カ月以内に「どこでも生成AI」に–未来志向型インフラテクノロジーのハイプサイクル
IT関連
2023-08-22 03:41