コロナ禍で企業に必要なのは適応力–WorkdayのAPJ担当プレジデントに聞く

今回は「コロナ禍で企業に必要なのは適応力–WorkdayのAPJ担当プレジデントに聞く」についてご紹介します。

関連ワード (トップインタビュー、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 人事システムを手掛けるWorkdayでアジア太平洋地域および日本(APJ)担当プレジデントを務めるDavid Webster氏は、オーストラリアのシドニーを拠点とし、同地域の顧客がビジネスの変化に柔軟に対応できる事業を構築するのを支援している。日本を先ごろ訪れた同氏に、APJ全体の戦略や3年を迎えたコロナ禍における影響などについて話を聞いた。

–Workdayの紹介を兼ねてパーパス(目的)やビジョンを話してもらえますか。

 歴史を少し振り返りますが、Workdayの設立には、企業がエンタープライズソフトウェアを活用する方法を改善するという考えが背景にありました。Workdayとしては、人材管理・財務管理ソフトウェアの構築に注力しました。

 Workdayのパーパスは、働く日を全ての人にとって明るいものにすることです。このことに向けてWorkdayは、自社のソフトウェアが企業の変化と変革を支援できると考えています。

 Workdayは“Born in the Cloud”(クラウド生まれの)企業と言えるでしょう。クラウドでソフトウェアを構築し、顧客がクラウドでビジネスを変化・変革することを支援できるようにしました。そのため、Workdayのパーパスには、日本を含む世界中の顧客がレガシーな古いシステムからクラウドへと完全に移行し、クラウドでビジネスを変革できるよう支援ことが含まれます。

 将来に対するビジョンとしては、全ての組織が好きな場所で働けるようにすることです。Workdayにとって仕事とは場所ではなく、従業員の行為です。Workdayは、企業がWorkdayのソフトウェアを使うことで変化を可能にし、従業員がより良い仕事ができるようになるお手伝いをしています。

 世界では今、政治や経済、気候において多くの変化が起こっています。企業は、そのような変化に適応して柔軟に対応できる“デジタルバックボーン”を持つ必要があります。

 デジタルバックボーンとは、デジタルプラットフォームとも呼ばれますが、ITに対するアーキテクチャーのアプローチだと考えてください。統合基幹業務システム(ERP)のようなレガシーなシステムでは、全てのITとデータを一箇所に置くというアプローチが取られています。一方、モダンなシステム構築では、人材管理やサプライチェーン、顧客関係管理、財務管理のためのソリューションをクラウドに作られたSaaSのベストオブブリードとして組み合わせるというアプローチを取っています。

 ですので、Workdayのミッションは、企業が世界の変化に適応して対応できるよう支援することです。

–日本における2022年の事業戦略が「ソリューションの拡充」「顧客セグメントの拡大」「パートナービジネスの成長」の3つを柱とすることが明らかになっています。APJやグローバルでの戦略はどのようになっているのでしょう。

 WorkdayのAPJは中国、日本、韓国、ASEAN諸国、インド、オーストラリア、ニュージーランドが含まれます。APJ全地域でこれらの3つの柱を中心にしています。グローバルでも同様で、Workdayを導入する新規顧客を増やし、既存顧客にWorkdayソフトウェアをより使ってもらうことでフットプリントの拡大を目指しています。さらに、パートナーエコシステムも拡大しています。

–日本での戦略はAPJやグローバルの戦略に沿ったものということですね。

 そうです。加えて日本では、パートナーエコシステムを他の一部地域よりも重視しています。日本は、パートナーの関与が非常に高度な市場です。そのため、日本では、ビジネスインパクト、価値、顧客満足を与えるため、パートナーと協力することに非常に力を入れています。

–日本ではパートナーエコシステムにより重点を置いているということですが、他の地域では異なる部分により重点を置いているということがあるのでしょうか。

 いいえ、同じです。程度の問題です。日本では、他の地域に比べてパートナーとのビジネスの度合いが幾らか多くなっています。しかし、戦略に変わりはありません。Workdayでは、パートナーを介したビジネスが多いのですが、日本のパートナーエコシステムは規模が非常に大きくて高度ということもあり、日本ではパートナーを介してという部分がより多くなっているということです。

 もう1つ特筆すべきは、日本でも他国においても大手パートナーは、Workdayの顧客であるということです。つまり、パートナー自らWorkday製品をビジネスに利用しているのです。そのため、パートナーでもあり、顧客でもあるという企業が多くあります。

–働き方について先ほど触れられていました。働き方に変化をもたらした最近の大きな出来事としてコロナ禍がありますが、コロナ禍も3年を迎えます。コロナ禍で起きた変化は今度どのように変化すると考えますか。

 コロナ禍は、多くの顧客に、システムやビジネスプロセスがあまりにもレガシーで古く、移動しながら分散して仕事をする人々をサポートしていないことを認識させたと思います。Workdayにはグローバルで何千という顧客がいます。そういった顧客との話でこの3年間に分かったことは、Workdayを人材管理、財務、プランニングに利用している顧客は、レガシーなERPを使う顧客よりも適応力が高いということです。地政学的な問題やコロナ禍といった外からの力が働いても変化して適応できるのです。適応力が将来的なビジネスの成功にとって非常に重要ということが分かりました。

 Workdayを導入していない顧客とも話をしているのですが、そこで分かったのは“アクセラレーションギャップ”が生じているということです。

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