ユーザー体験を管理する文化の醸成へ–クアルトリクスが語る、日本市場での現在地点
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ユーザー体験が対消費者(B2C)のみならず、対企業(B2B)ビジネスでも重要性を増す近年、各種体験の改善プラットフォームを提供するクアルトリクスに注目が集まっている。同社は顧客の利便性向上を目的に、国内で提供されるAmazon Web Services(AWS)クラウドへ自社ソリューションを実装した。この取り組みの背景には顧客支援のほか、2022年4月に施行された個人情報保護法の改正がある。同法では海外のパブリッククラウドを利用しても「外国にある第三者」に当たらない可能性が高く、北米や欧州などで提供しているサービスと同等のものを国内でも提供できる。
今回の来日理由について、米QualtricsのProduct Software Groupでエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるAnderson Quach氏は「各種体験を改善するオペレーティングシステム(OS)『Qualtrics XM』をエンタープライズサービスとして高めつつ、日本のデータセンターで提供するため。日本のローカルな要件やセキュリティ要件に合わせて提供し、日本への投資を引き続き強化する」と述べた。
その一つが、ビジネスの負荷を総合的にチェックし、ダッシュボードで確認できるストレスチェック機能の組み込みだ。厚生労働省が提唱するストレスチェック制度は周知の通りだが、同社は国によって異なる規制に対応できるよう、算出方式を踏まえて従業員体験改善ツール「EmployeeXM」のテンプレートに組み込んでいる。
Qualtricsは2018年のSAPによる買収でグループ企業化したが、認知度向上に寄与したと同社は説明する。両社は2022年4月、ウクライナ侵攻に伴い支援基盤「ウクライナ避難民支援プラットフォーム」の提供を開始し、日本財団に採用されている。
同基盤のほか、クアルトリクスは2020年4月に在宅勤務の実施を支援する「Qualtricsリモートワークパルス」を無償提供し、2021年6月には職域向けワクチン接種支援ソリューション「ワクチン・コラボレーション・ハブ」を提供するなど、時流に対応した製品を素早く開発している。その理由について、Quach氏は「カスタマーリスニングという形で顧客の声を頻繁に聞き、共感を持って接している。その上で私が率いるエンジニアリングチームは、安全性、使いやすさ、信頼性、高品質という信条のもと、ソフトウェアを開発している」と説明した。
同社は顧客体験(CX)、従業員体験(EX)、ブランド体験(BX)、製品体験(PX)と多様なユーザー体験向上をプラットフォームとして展開している。Quach氏は「当社は3つの本質的な能力において、差別化に成功している。1つ目は聞いて理解すること。2つ目はデータベースにある何十億という属性情報。従業員と消費者、または顧客を明確な文脈に基づいて全体像を把握・記憶できる。3つ目は275を超えるアプリケーションの数。スピード感を持って顧客のアクションを支援できる」と自社の特徴を語る。