日立とイーヒルズ、施設の衛生管理状況を可視化–デジタル技術を駆使した感染対策
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日立製作所(日立)とイーヒルズは、施設の衛生管理状況を可視化するサービス「T*Plats」を共同開発した。8月3日から日立の新サービスとしてT*Platsを提供する。
同サービスは、イーヒルズが提供する「環境測定用IoTセンサー」を店舗や施設に設置することで、大気中の二酸化炭素濃度や温湿度を測定し、データに基づいた衛生管理を可能にする。また、T*Platsの公式ホームページ上で衛生管理状況をエンドユーザーに対して発信・公開することができるという。なお、同サービスは、内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「IoT社会に対応したサイバー・フィジカル・セキュリティ」の研究成果を活用し、開発した。
現在、緊急事態宣言が解除され、飲食店の通常営業の再開など経済活動は徐々に再開している。一方で新型コロナウイルス感染者数の再拡大による第7波の到来など、依然として予断を許さない状態が続く。
日立が6月22~23日に実施した「飲食店や施設の利用に関する調査」の結果によると、約85%の人が店舗や施設に、室内換気や入店時のアルコール消毒などの基本的な感染対策の実施を求めていることが分かった。また、店舗や施設を利用する上で重視しているポイントとして「感染対策の有無」を選んだ人は約55%にも上ったという。なお、同調査の有効回答数は1500人だった。
日立とイーヒルズはこの結果を踏まえ、施設の徹底した衛生管理と、利用者にとって安心安全な施設選びを可能にする仕組みを構築するため、不動産デベロッパーや飲食店、公共施設など、約200カ所で感染対策状況を可視化する実証実験を行った。実証に協力した施設からのフィードバックを基にシステムの開発や機能の改良を重ね、T*Platsの提供に至ったという。
同サービスでは、換気度合いを示す二酸化炭素濃度に加え、騒音度合いや温湿度、独自のアルゴリズムによる混雑度を測定できる。特に、目視だけでは適切に行われているか判断ができない換気度合いなどは、データ分析によりリアルタイムでの把握が可能で、効率的に換気対策を行えるという。加えて、IoTセンサーは小型設計のため、設置も容易だ。
IoTセンサーから得た測定データはリアルタイムで分析され、同サービスに加入している店舗や施設に対してSNSやメールで衛生管理状況の結果を提供する。また、蓄積したデータを分析し、月次レポートを発行するため、加入者はレポートを基に衛生管理の改善につなげることができる。
店舗や施設の衛生管理状況は、エンドユーザー向けのT*Plats公式ホームページにリアルタイムで公開される。これにより、店舗や施設側は利用者からのニーズが高まっている衛生管理情報を提供できるほか、信頼性の高い施設として訴求することが可能となり、集客効果が期待される。また、エンドユーザーにとっては信頼性の高い施設を選ぶことができ、安心安全な施設の利用につながる。
今後、両社は自治体や教育機関などさまざまな業種に展開し、幅広い施設での同サービスの導入と普及を目指す。また、デジタルサイネージと連携し、店頭でも衛生管理状況をリアルタイムに見られる機能の提供など、さらなる導入推進に向けて取り組みを進めていく予定だ。