ストレージもサステナビリティーに貢献する–ピュア・ストレージのCEOが来日会見
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ピュア・ストレージ・ジャパンは8月25日、都内で開催した年次イベント「Pure//Accelerate Japan」に合わせて記者会見を行い、米Pure Storage 会長兼CEO(最高経営責任者)のCharlie Giancarlo氏と代表取締役社長の田中良幸氏が同社ビジネスの最新状況を説明した。
Pure Storageは、6月に米国で年次イベント「Pure//Accelerate techfest22」を開催。3年ぶりに顧客を会場に招いて実施したが、今回日本でも同様になり、コロナ禍で途絶えていたGiancarlo氏の来訪は3年ぶりになるという。
Giancarlo氏は、まず業績の好調ぶりをアピールした。2022会計年度(2022年1月期)の売上高は前年比29%増の21億8000万ドルだった。2023会計年度第1四半期(2022年2~4月)は、売上高が50%増の6億2000万ドル、サブスクリプション年間経常収支(ARR)が29%増の9億ドル、営業キャッシュフローが2億2000万ドルとなっている。
こうした同社ビジネスの好調ぶりを支えているのが、サブスクリプションサービスの「Evergreen」や「FlashArray」「FlashBlade」などの製品群、コードベースのストレージ・アズ・ア・サービス「Pure Fusion」、クラウド管理ツール「Pure1」といったクラウドモデルの取り組みになる。
「5年ほど前ならクラウドへ全面的に移行するという企業は少なかったが、現在ではほとんどの企業がクラウドを取り入れ、ハイブリッドクラウドを選択している。このトレンドは今後も続くだろう。われわれは市場平均を上回るペースで成長を続けることができている」とGiancarlo氏。この現状を踏まえ、2023会計年度通期の業績予想を上方修正した。
Giancarlo氏は、顧客が状況に応じた最適なコストと方法により同社のストレージを柔軟に利用できるEvergreenの多彩なラインアップや、長期利用でも常に最新のテクノロジーを活用していけるアーキテクチャーによって、顧客からの支持を獲得し続けていると述べた。
それらは、これまで主にコストや運用性の観点で顧客にメリットを提供していたが、近年は世界的にサステナビリティー(持続可能性)への関心の高まり、Giancarlo氏は環境面からも同社が顧客にメリットを提供することができると説く。
「Pure Storageに参画して5年になるが、当初は顧客に省スペース性や効率性を価値として訴求しており、環境性は気にしていなかった。Pure Storageの製品が環境面にも優れることを理解していたが、改めて顧客にその価値も知っていただくべく、ESG(環境、社会、統制)レポートも発行した」(Giancarlo氏)
Giancarlo氏によれば、高密度実装のオールフラッシュストレージにおける高い省電力性や優れた熱効率によりエネルギー消費を80%削減できるほか、部品点数の少ないストレージアレイは廃棄物自体も少なく、再資源化に適した部材を積極的に採用しているとのこと。同社としては、GHGプロトコルのスコープ3において2030年までに廃棄物量を66%削減する目標を掲げている。
Giancarlo氏の説明を受けて、田中氏も日本市場でのビジネスがグローバルと同様の理由で順調に推移していると報告。特に日本市場については、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む顧客のデータ活用ニーズがけん引しているといい、「DXではあらゆる企業がデータプラットフォームを構築し、永続的なデータの活用によってビジネスの競争に勝つことを目指しており、データストレージが求められている。データを活用するにはセキュリティとクラウドも必要であり、顧客はPure Storageの価値を認めて採用している」(田中氏)
なお、直近では、世界的な物価高騰や円安などの影響で、ITの調達コストの上昇が企業の重要課題の1つになっている。価格戦略などについてGiancarlo氏に尋ねると、「確かに全てドル基準なら多方面に影響するだろう。(一般的に)顧客への提供価格は上昇することになるが、(Pure Storageの場合は)日本のオペレーションコストの抑制にもつながる。結果として相殺され、為替変動の影響はあまりないと言える」と答えた。
田中氏は、「日本は100%パートナー経由の販売であり、最終的な金額はパートナーが提示するものになるが、われわれは、(価格に見合う以上の)価値を常に顧客へ提供することに注力している。これからも同様であり、パートナーと連携して顧客により良い価値を提供していきたいと考えている」と述べた。