日本郵便、全国約4000カ所ある簡易郵便局の管理台帳を統合–事務作業を70%以上削減へ
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日本郵便は、業務のデジタル化を支援するクラウドサービス「SmartDB」を導入した。ドリーム・アーツが8月30日に発表した。
日本郵便では、6月から全国約4000カ所にある簡易郵便局の委託契約において現場部門(非IT部門)がSmartDBで構築した業務アプリの利用を開始している。これにより委託契約の管理において入力転記作業の70%削減、報告書類や他システム連携用のデータ作成にかかる工数の80%削減を見込んでいる。
SmartDBは高度なワークフローとウェブデータベース機能を兼ね備えたノーコード開発基盤で、現場部門でも簡易郵便局管理に必要な業務アプリを作成できる点を評価し採用が決まった。特に委託先や本社・支社など異なる立場の人が共通の業務アプリを利用する場合でも、きめ細かな権限制御により機密情報を含むデータを適切に管理できる点が日本郵便の求めるシステムとして適合していたという。
SmartDBの導入後は、閲覧者の属性や利用の目的に応じた情報の表示・編集制御を可能にし、本社・各支社で保有していた簡易郵便局に関する台帳の統一化を実現できた。また委託先からの契約に関する変更申請がSmartDB内で完結できるようになったほか、進捗管理や台帳へ情報を反映する作業も自動化された。
日本郵便は約2万4000局もの郵便局ネットワークを展開しており、そのうち約4000局は簡易郵便局として個人や法人に窓口業務を委託している。その中で、簡易郵便局業務の委託契約に関する手続きは、本社・支社・委託先の間で捺印された書面の郵送などで行っていた。
また各支社ではそれぞれ独自に契約情報を管理しており、別々のExcelを台帳として保有していた。一方、本社では、支社からの報告をもとに全ての簡易郵便局の情報を集約する必要があり、紙に記入された情報を転記する作業が大量に発生していた。
さらに簡易郵便局に関する情報は社内外への情報公開のために、Excelを使って月次で台帳の情報を取りまとめ、書類を作成する必要があった。書類は内容に応じて記載すべき情報やフォーマットが異なり、約20種類にも及び、対象の簡易郵便局のリストアップから報告内容の整理を含め、多大な作業時間を要していた。
今後は、SmartDBにより蓄積したデータをあらかじめ定義したExcel上のフォーマットに出力できるため、社内外への情報公開に必要な書類の作成も自動化していく予定だ。
また年度末に集中する委託先からの郵送物の処理業務での利用も予定している。委託先がSmartDB上で書類を提出できるようにすることで開封・保管作業やExcelへの情報転記作業が不要となり、さらなる負荷軽減が期待できる。