NTTデータG、2024年度第1四半期は増収減益–新経営体制で最初の決算を読み解く
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NTTデータグループは8月6日、2024年度第1四半期(2024年4~6月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比9.6%増の1兆1120億円、営業利益は同0.6%増の586億円、税引前利益は同13.1%減の419億円、当期利益は同23.2%減の212億円、当期包括利益は同12.6%減の1074億円となった。受注高は前年同期比46.7%増の1兆4643億円となっている。
業績を説明した 代表取締役副社長執行役員の中山和彦氏は、「第1四半期の売上高が通期業績予想に対し順調に推移している。営業利益は前年並み、最終利益は減益だが、おおむね予定通りの進展になる。受注高も海外データセンター事業や国内事業が好調に推移し、大幅な増加になった。通期予想に変更はない」と総括した。
2024年度(2025年3月期)の連結業績見通しは据え置き、売上高で前年比1.4%増の4兆4300億円、営業利益で同8.5%増の3360億円、税引前利益で同2.6%増の2550億円、当期利益で同2.3%増の1370億円の増収増益を見込んでいる。
第1四半期の実績を支えたのが、海外のGlobal Technology and Solution Services(GTSS)における英国およびインドでのハイパースケーラー向けデータセンター事業の好調ぶりだ。さらに海外のSAP事業が好調に推移し、為替もプラスに影響した。
データセンター事業は、第1四半期実績において売上高が5億9000万ドル(915億円)、EBITDAが1億9000万ドル(296億円)となり、順調に増加している。中山氏は、「生成AIなどを含むデータセンターに対する旺盛な需要に対応し、2027年度にはEBITDAで1.7倍を目指す」と語る。また、2027年度までに1兆5000億円の投資を予定しているとし、「米国の景気拡大ペースが鈍化してもデータ利活用社会へ移行しており、社会インフラとしての需要が高くなっている。データセンター需要は国内外ともに旺盛な需要が続くため、景気動向の影響で投資計画が変化することはない」と述べた。
一方で、国内公共および社会基盤分野で、中央府省向けの事業が拡大した。受注でも中央府庁での大型案件を獲得したほか、法人や金融分野の受注が好調だったという。中山氏は、「中央省庁の大規模システムのデジタル化案件として、約500億円の受注を獲得した。強みのクラウド構築などの実装力を生かし、中央省庁のクラウド統合を推進する。行政サービスのデジタル化を支え、利用者の利便性向上に貢献する」と語る。
だが、営業利益の減益要因は、North America(北米)やEMEAL(欧州・中東・アフリカ・中南米)、APAC(アジア・太平洋)の各市場での通信端末機器販売事業の減収と、前年同期に金融分野で高利益率案件があったことの反動、社内新システムによる減価償却費などの増加がマイナスに影響したとする。
NTTデータグループは、2025年度の連結売上高で4兆7000億円を目指す計画を発表している。2025年度は4カ年の中期経営計画の最終年度に当たる。今回の2024年度第1四半期決算は、4兆7000億円の具体的な目標を打ち出して最初の決算であるとともに、2024年6月にスタートした佐々木裕社長体制にとっても最初の決算となった。
中山氏は、「新執行体制で、経営目標の達成に向けて取り組んでいく」とし、「目標達成に向けた各リージョンを横断的に支えるクロスファンクションを成長ドライバーに、クラウドやセキュリティを含めたアセットやソリューションの創出、データセンター事業の取り込みなどによって、各リージョンの成長を後押しする。各リージョンでは既存ビジネスの拡大や生産性の向上、アセット活用によるデリバリー拡大とパートナートップ強化などをベースに事業を拡大することになる」との基本方針を示した。