第47回:列伝7人目「外資系ひとり情シス」
今回は「第47回:列伝7人目「外資系ひとり情シス」」についてご紹介します。
関連ワード (「ひとり情シス」の本当のところ、運用管理等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ひとり情シス協会が編集した「ひとり情シス列伝」の第七章は、外資系日本法人のひとり情シスとして活躍されたカズヨシ・ヘルブルクスさんです。バイリンガルのカズヨシさんは世界を飛び回る中で、さまざまな文化にもまれてきたそうですが、日本生まれの日本人です。週末には六本木のクラブに繰り出したり、世界の料理を楽しんだりするようです。
外資系企業のIT部門は、日本への進出とともに始まりました。数人の先発隊から10人、30人、50人へと企業規模が大きくなり、100人を超えるまで、それぞれの過程でさまざまな課題が発生しました。カズヨシさんは、その全ての変化を見届けてきたわけです。
日頃、外資系情シスの仕事内容を知ることはあまりないと思います。書籍の中では、ひとり情シスの範囲を超えて、外資系情シスの実態についても触れていただきました。今後グローバル化が進むにつれて、外資系企業とのやりとりも増えてくると思います。外資系ひとり情シスの歴史を学ぶことで何か得られるものがあれば幸いです。
カズヨシさんは列伝で6つの提言をされていますが、今回はその中でとても重要な「IT予算の位置付け」について紹介します。
ひとり情シス職の面接で、「IT投資への予算はいくらですか?」と聞くというのはさすがに突飛な感じがしますが、ある意味必要なことではないかと思います。予算の有無でひとり情シスの動き方が180度異なるからです。
システムの内製化は、システム製造を内部で行うことと考える経営層もいるかもしれませんが、実際は違います。システム内製化とは、ビジネスに追従するために主体的に開発することを意味しており、必ずしも製造を内部でやる必要はありません。それなりの予算があれば、外部の有能なプログラマーを長期間確保できますし、圧倒的な開発スピードが保障されます。しかし、予算がなければ自分が開発するしかないので、時間の制約が厳しくなってしまいます。予算の有無で全く状況が変わってしまうのです。
情シスの就業環境が悲惨だと感じる要因のほとんどは、IT予算のなさにあると思います。予算があれば無理な内製化をする必要はないですし、良い提案をしてくれるパートナーにも恵まれます。IT投資の予算をどれほど確保しているかはインサイダー情報になるため、面接時に詳しく聞くのは難しいかもしれませんが、予算の状況やベンダーとの関係性、自分に期待することをしっかりと確認すべきです。
また仮にIT予算がなく、システムの内製化が期待されているのであれば、その対価や金額のイメージなどを質問するだけでも、コスト感覚に優れ、社内外でも無駄なく開発ができる人物として「この人はちょっと雇ってもいいかな」と思ってもらえる気がします。