SIerは今後自らをどう呼ばれたいか、明示せよ
今回は「SIerは今後自らをどう呼ばれたいか、明示せよ」についてご紹介します。
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社会や企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、これまでシステムの構築・運用を担ってきたシステムインテグレーター(SIer)もデジタル技術を活用したサービスを主体としたビジネスモデルへの転換を迫られている。SIerという言葉自体がレガシーになりつつある中で、これからはどんな代名詞がふさわしいのか。キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)の記者会見を機に考えてみたい。
「私たちは『共想共創カンパニー』を目指したい」
キヤノンITS 代表取締役社長の金澤明氏は、同社が11月25日にオンラインで開いたメディア向け事業戦略説明会でこう強調した(写真1)。
キヤノンマーケティングジャパングループの同社は、これまで幾つかのIT企業を統合し、2022年7月に設立40周年を迎えたSIerだ。そんな「老舗」のSIerも昨今のビジネスを取り巻く環境変化の中で大変身を迫られている。同社は将来の企業像をどのように描いているのか。金澤氏が語った「共想共創カンパニー」がそのキーワードである。
この言葉は、キヤノンITSが2020年に、2025年の在りたい姿を「VISION2025」として掲げた際に打ち出した「先進ICTと元気な社員で未来を拓く“共想共創カンパニー”」というキーメッセージの中核をなす。
金澤氏はこのキーメッセージについて、「先進的な技術を継続的に取り込み、社員が元気になってお客さまや社会の未来を拓いていきたい、そんなお客さまと共に考え、お客さまと共にビジネスを創り出せる会社になっていきたいという想いを込めた」という。
同氏によると、VISION2025の根幹となるのが、同社のDNAという「お客さまに寄り添う心」「先進技術への挑戦魂」「最後までやりきる胆力」の3つだ。そして、「大切にしている7つのこととは、ミッションステートメントともいうべき内容で、私たちの意思であり価値観であり信条をまとめたもの」とのことだ(図1)。
では、共想共創カンパニーとはどんな企業なのか。キヤノンITSでは「エンゲージメント経営」により経営基盤を強化し、「お客さまの想い」を起点に「3つの事業モデル」を展開する企業グループとして位置付けている(図2)。
「共想共創カンパニーのベースにあるお客さまとの信頼関係や、社員との絆こそがエンゲージメント経営の根幹であり、お客さまが目指すゴールを共有し、何をやりたいのか、何を変えたいのかを共に考え、お客さまの想いを起点にお客さまのビジネスを共に創り上げていくことを目指している」(金澤氏)