オラクル、「Java 19」を公開–「JavaOne」も復活へ
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Oracleは米国時間9月20日、「Java」プラットフォームの最新バージョンとなる「Java 19」をリリースした。また、10月17~20日に米国ラスベガスで開催される「Oracle CloudWorld」に合わせて5年ぶりに開発者イベント「JavaOne」を行う。
Java 19のリリースは、同社が2018年3月にJavaのリリースサイクルを6カ月ごとに変更してから通算10回目になる。事前に行われた日本向けのメディア説明会で、Java Platform Group開発担当シニアバイスプレジデントのGeorges Saab氏は、6カ月ごとのリリースサイクルを5年に渡って計画通りに実行し、Java開発者がきめ細やかに新機能あるいは機能強化を取り入れられるスタイルが定着しつつあるなどと、改めてその意義を紹介した。
以前なら2~3年ごとのメジャーアップデートでオープンソースの「OpenJDK」コミュニティーにおける各種プロジェクトの成果が膨大に盛り込まれ、開発者は一気にキャッチアップしなければならなかったが、現在ではリリース当たりの反映が少なくとも、全体として見ればより充実したものになっている。他方で、企業ユーザー向けには安定した長期サポートを行うLTS版を提供し、直近で2021年9月に「Java 17」をリリースした。
Saab氏は日本市場にも言及。世界の中でも日本のコミュニティーは非常に活発だとした上で、2022年夏にJavaの認定開発者が100万人を突破し、その人物が日本からの参加者だったことを明かした。
Java 19では、各種開発プロジェクトからの提案(JEP:JDK Enhancement Proposals)からの7つの新機能、機能強化を取り込んだ。Java言語を改善する「Project Amber」からは、レコードパターン(JEP 405)と「switch」パターンマッチング(JEP 427)が盛り込まれ、前者ではレコードパターンとタイプパターンをネストされることによる高度なデータクエリーを可能にさせるほか、後者では複雑なデータ志向のクエリーを簡素かつ安全に表現できるようになるとする。
また、高スループット型並列処理アプリケーションの利用負荷を軽減する仮想スレッド機能(JEP 425)や、Javaランタイム以外のデータおよびコードと安全で効率的に連携するための外部関数・メモリーAPI(JEP 424)、ベクトル演算向けのベクトルAPI(JEP 426)などが追加された。ポートは、新たにLinux/RISC-Vに対応している。
Saab氏は、Javaが多数のハードウェアおよびソフトウェアベンダー、開発者の貢献によって成り立っていると改めて述べ、Oracleがその中心的な役割を担っていると説明。2018年に開始した企業向けサブスクリプションサービス「Oracle Java SE Subscription」や、コミュニティーにおけるトレーニングやイベントなどの取り組みについて、プロダクトマネジメント担当シニアディレクターのSharat Chandar氏とJava デベロッパーリレーションズ バイスプレジデントのChad Arimura氏がそれぞれ紹介した。
「JavaOne」は、27年に及ぶJavaの歴史において最も代表的な開発者イベント。コロナ禍のリアル開催の中断期間を含めても5年ぶりの復活になり、Arimura氏は「ラスベガスで直接お会いできるのが楽しみだ」とコメント。なお、併催の「Oracle CloudWorld」は、2019年までサンフランシスコを会場に「Oracle OpenWorld」の名称で開催されていた同社最大のイベント。3年ぶりに会場と名称を一新してリアルに開催する。