レッドブルF1に聞く、レースとビジネスにおけるクラウドの使い方
今回は「レッドブルF1に聞く、レースとビジネスにおけるクラウドの使い方」についてご紹介します。
関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
自動車レース「F1」の有力チームであるRed Bull Racingは、2022年シーズンから米Oracleとのパートナーシップを強化し、「Oracle Red Bull Racing」として参戦している。シンガポールで開催されるレース(決勝:10月2日)を前に、同チームでストラテジック パートナーシップス ヘッドを務めるZoe Chilton氏が日本メディアのグループインタビューに応じ、Oracleとの関係やクラウドの利用などについて語ってくれた。
2022年シーズンのF1には10チームが参戦する。各チームはITベンダーとさまざまな形でパートナーシップを結んでおり、レースに使う車両の設計開発から各レースにおける戦略や戦術の検討、マーケティングなどの商業面まで多岐に渡る。Chilton氏によれば、Oracleとの関係は、2021年に「イノベーションパートナー」としてスタートした。2022年はチーム名の冠となる「タイトルスポンサー」としてより深いものになっている。
F1には先進テクノロジーの実験場としての要素もあり、特に近年はIT業界との関わりが深くなるばかりだ。車両の設計開発では、航空機と同じように流体力学を駆使することからハイパフォーマンスコンピューティング(HCP)の使用が当たり前になっている。レースでも、世界中のサーキットの現場と車両の設計開発製造を行う「ファクトリー」(欧州に拠点が多い)をリアルタイムに接続して協働作業をするため、グローバル展開する大企業さながらのITインフラやコラボレーションの環境を構築している(関連記事)。
インタビューでChilton氏は、特にレース運営と商業面におけるOracleとの関係やクラウドの利用を説明してくれた。
まずF1の基本的なルールの一端を紹介すると、2022年シーズンは世界各地で22回のレース(グランプリ=GP)が開催される。チームから原則として2人のドライバーが出場し、決勝レースの上位10人までにポイントが付与される(この他にも決勝の最速タイム者にもポイントを付与するなどの仕組みがある)。シーズンを通じて最多ポイントを獲得したドライバーが「ワールドチャンピオン」になる。チームのシーズンの勝敗は、2人のドライバーがそれぞれに獲得したポイントの合計数で競われ、最多ポイントを獲得したチームが「コンストラクターズ(製造者)チャンピオン」となる。
多くの自動車レースは、基本的にメーカーが製造した基本仕様の競技用車両をチームが購入して参戦する。しかしF1では、チームが規則に基づいて自前で競技用車両を設計、開発、製造することが特徴であり、それ故に「先進テクノロジーの実験場」と呼ばれ、ITを駆使するようになっているわけだ。
なお「パワーユニット」(ガソリンのターボエンジンと電気モーターによるハイブリッド動力システム)については、ドイツのMercedes、イタリアのFerrari、フランスのRenaultが各チームに供給しているが、Red Bull Racingと日本人の角田裕毅選手が所属するAlphaTauriは、2021年シーズンまで供給していたホンダがグループ企業のホンダレーシング(HRC)を通じて2022年シーズンも支援を行っている。