「場所と時間にとらわれない」、でも…–フリーランサーの利点と欠点の実際
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Dropbox Japanは8月8日、フリーランスの働き方に関するウェビナーを開催した。昨今はフリーランス人口が増加傾向にあるものの、社会的な理解不足や会社員と比較して不利な点が多い。基調講演に登壇したプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(フリーランス協会) 代表理事 平田麻莉氏は、フリーランスの利点を「魂が自由」と評し、フリーランサーを鼓舞した。
フリーランス協会が2021年3月に発表した「フリーランス白書2020」によれば、組織から独立した後に増加した要素として「満足度(86.9%)」「スキル/経験(84.8%)」「自由時間(75.8%)」が上位に並んでいる。組織から独立した後に大きく減少した要素は「ストレス(70.1%)」「労働時間(52.9%)」が顕著だった(有効回答数541)。
収入に関しては「増加」が53.2%、「減少」が33.5%と回答が分かれるところだが、「残業代の消失や自由時間の優先、子育てや介護を優先した時間短縮の働き方に変更」(平田氏)するフリーランサーも含まれるからだろう。満足度の調査は「非常に満足」「満足」の合算で見ると、「就業環境(83.7%)」「全般(83.6%)」「達成感/充実感(82.9%)」が上位に並んだ(有効回答数568)。
コロナ禍でリモートワークの浸透が広まりつつあるが、今後の働き方に対する調査結果は「時間・空間からの解放(フリーランス72.5%、会社員81.6%)」「兼業・副業・復業の一般化(同63.5%、同60.1%)」「企業の枠にとらわれない働き方の増加(同57.9%、同60.7%)」との結果に(フリーランス有効回答数1611、会社員有効回答数549)。
平田氏は「場所にとらわれない働き方はフリーランスの醍醐味だが、コロナ禍で進化している。会社員もリモートワークで副業を始めやすくなったと多数の声を聞いた。今後は副業・兼業が一般化する」と分析した。
とはいえ、組織や雇用制度に守られた会社員とは異なり、フリーランスは独立した事業者である。そのため、労働基準法(労基法)の対象外であり、「出産・介護のセーフティーネットや健康保険、年金といったライフリスクを求める」(平田氏)声がフリーランス協会に寄せられている。
「フリーランス白書2019」の調査結果によれば、「休暇や所得補充(63.6%)」「健康保険組合(59.6%)」「厚生年金(52%)」が要望として上がり、旧態依然の法体制やシステムの問題が浮かび上がった(有効回答数869)。
政府も2021年3月に「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を策定し、フリーランス保護を目的に事業者とフリーランス間の契約時に契約を明確化するとともに、禁止行為を明定(めいてい)する“フリーランス新法”の国会提出を急いでいる。
ウェビナーは2部構成を取り、後半はパネルディスカッションが開催された。出席したのは、フリーランス協会の平田氏、ひかり総合法律事務所 弁護士 山田康成氏、meetalk 代表取締役社長 山中直子氏。Dropbox Japan 代表取締役社長 梅田成二氏がモデレーターを務めた。
最初にフリーランスの魅力と課題について問うと、平田氏はこう答えた。