「Oracle CloudWorld 2022」閉幕–日本オラクル・三澤社長は何を思う
今回は「「Oracle CloudWorld 2022」閉幕–日本オラクル・三澤社長は何を思う」についてご紹介します。
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Oracleは米国時間10月18~20日、年次カンファレンス「Oracle CloudWorld 2022」を開催。コロナ禍で2020年以降はオンライン開催だったが、今回は3年ぶりにリアルでの実施となり、盛況のうちに幕を閉じた。
同カンファレンスには、日本オラクル 取締役 執行役 社長の三澤智光氏も参加。グローバルでの方針や新たなテクノロジーが発表される中、会期中のジャパン・プレスセッションで三澤氏に発表内容のポイントや所感を聞いた。
三澤氏は「久々のFace to Faceのカンファレンスはやはり良い」とした上で、「多くの顧客・パートナーに『Oracleがもう一度上り始めた』という感覚を持ってもらえたのではないか』と話す。同社はこれまでクラウドで後発という印象を持たれることもあったが、今回は「マルチクラウドや各産業に特化したアプリケーションで顧客中心主義を追究し、パートナーエコシステムを拡充させて成長する」という姿勢を印象づけることができたという。
三澤氏は、会期中に発表されたテクノロジーで注目したものの一つに、クラウドインフラストラクチャープラットフォーム「Oracle Alloy」を挙げる。同サービスは、金融機関や通信事業者などもクラウドプロバイダーとして自社の顧客に新たなクラウドサービスを提供することを可能にする。企業は特定の規制要件や業界特有のニーズに対応しながら、自社ブランドとしてクラウドサービスを提供できる。
Oracleは「Dedicated Region Cloud@Customer」(DRCC)でも「Oracle Cloud」と同等のサービスを顧客のデータセンターに構築し、専用のクラウドを提供してきたが、Alloyでは顧客自身が運用・管理できる。この点から三澤氏は「今、日本で討議されている話を解決できる唯一のソリューションではないだろうか」と期待を寄せる。
公的機関をはじめ、「海外ではなく日本のベンダーに自社のデータを管理してほしい」というニーズは確かに存在する。先日、日本の「ガバメントクラウド」に選定された企業がOracleも含め全て海外のベンダーであることに対し、ネット上などではデータの安全性を危惧する声も上がっているという。このことから三澤氏は「高性能なテクノロジーを望むと同時に、データの運用管理に慎重な企業や組織はAlloyに深い関心を持つだろう」と述べる。
Alloyを日本市場で展開する上でのローカライズに関しては「正直仕組みはDRCCと同じで、同サービスは野村総合研究所(NRI)で十分な実績を積んでいるため、日本向けにカスタマイズすることは基本的にない。だが、顧客がどこまでマネージドサービスを利用するかというのは、それぞれの案件ごとに考えていかなければいけない」と三澤氏。
「クラウド業界では『AWS(Amazon Web Services)』などの存在感が依然として大きい中、日本市場でどのように事業を展開していくか」という質問に、三澤氏は「“蛇の道は蛇”で、AWSや『Microsoft Azure』がどこを取っているかというのは分かる。そのため、われわれはやはり地道に競合他社が入ってこれないエリアを取り続ける。例えば、NRIの仕組みは他のクラウドでは動かない」と自信を見せる。
「まずは『ミッションクリティカルといえばOracle』というイメージを付けていく。その上で、OCI(Oracle Cloud Infrastructure)はミッションクリティカルシステムや『Oracle Database』のためだけのものではないと伝えたい。今、日本全国で『何だ、そのOCIっていうのは』という動きが起きている。『いや、なんか(案件に)決まったらしい』と。1年後に皆さんとお会いする時は、(自社サービスの見られ方が)だいぶ変わっているはずだ」(三澤氏)
(取材協力:日本オラクル)