旭化成グループ、防災情報システムを21都府県で運用開始
今回は「旭化成グループ、防災情報システムを21都府県で運用開始」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
旭化成と旭化成ホームズ(旭化成グループ)と防災科学技術研究所(防災科研)は、2020年から共同で開発を進めてきた「防災情報システムLONGLIFE AEDGiS」について、ヘーベルハウスとヘーベルメゾンを展開する全エリア(21都府県)を扱う「地震被害推定システム」を完成させた。2月から旭化成グループ内で運用している。
地震被害推定システムは、外部(東京ガスネットワークや防災科研のサーバー)からの地震動情報と建物の構造データを掛け合わせて、地震発生後10分〜2時間程度でヘーベルハウスとヘーベルメゾンの建物別に被害レベルや液状化発生状況を即時把握し、早期に災害対応にあたるシステム。
東京ガスネットワークでは、地区ガバナといわれる地域ごとに設けられた都市ガスの圧力調整器に、地震計(SIセンサー)を供給エリア内の約4000カ所に設置している。大規模地震発生時に二次災害を未然に防ぐことを目的に、その観測点のデータを収集・分析し、被害が大きいと推定された地域を素早く見つけ出してガスの供給を遠隔で停止する超高密度リアルタイム地震防災システム「SUPREME」を構築している。
また防災科研は、J-RISQ(Japan Real-Time System for Earthquake Damage Estimation)のデータを試験的に配信運用している。
同システムでは、被害状況や建物損傷度を正確に把握するため、独自に5つの損傷ランクに分別しており、地震時の建物の瞬間的な最大の傾き(層間変形角)から被害状況を早急に把握し、精度を高め緻密にランク分けすることで、対応の優先順位付けが可能になる。
構造体損傷、外壁のひび割れ、クロスなどの内装材の損傷被害に対応する5つの損傷ランクをシステムによって推定する。これにより損傷ランクの大きい建物から対応することで、復旧工事の早期終結、受架電の本数削減など、災害対応の効率化、顧客への安心の提供を実現する。
旭化成グループと防災科研では、同システムで得られる高密度な地震動情報は、一般の個別建物、構造物、インフラ施設などの即時被害推定や、将来の地震被害想定にも応用できる可能性があるとしている。そこでシステム運用などで得られる知見を今後は水害の被害想定システムやリアルタイムに情報が共有できる仕組みに生かす方針だ。