2023年の戦略的テクノロジートレンドは「メタバース」「適応型AI」など
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多くの企業が経済の減速に備えようとする中、企業のIT担当役員は、ITプロジェクトを進めつつ、コストを削減する方法を見つけることが求められている。もちろんそれは決して簡単なことではない。
IT業界を専門とする調査会社であるGartnerによると、それを実現したいと考える企業は、サステナビリティーに関する目標と急速に進化しつつある新技術の進歩を両立させるため、2023年には従来の技術以外にも目を向ける必要が出てくるという。
Gartnerが発表した2023年版の戦略的テクノロジーのトップトレンドは、3つのテーマを中心に整理されている。その3つとは、運用などの最適化、製品デリバリーのための基盤の拡大、成功のための新たなチャンスの開拓だ。これは、2023年には、企業が過去の技術投資を最大限に生かしつつ、同時にサービスや製品の提供能力を強化し、新技術を生かしてイノベーションを起こす新たな方法を見つける必要があることを意味している。
「開拓」のカテゴリーでテクノロジーのトップトレンドに挙げられているのは、メタバース、適応型人工知能(AI)、「スーパーアプリ」だ。
同社によれば、スーパーアプリとは、1つのアプリケーションに、アプリとしての機能、プラットフォームとしての機能、デジタルエコシステムとしての機能を融合させたものだという。これらのアプリは、自らの機能の他に、サードパーティプラットフォームが提供するミニアプリの機能を取り込んだものになっている。その目的は、さまざまな製品やサービスをワンストップできるアプリを提供することであり、Gartnerは、2027年には世界人口の50%以上がスーパーアプリを利用するようになると予想している。
同社のディスティングイッシュドVPアナリストFrances Karamouzis氏は、スーパーアプリは「顧客や従業員が使用する複数のアプリを統合し、置き換えることができる」と述べている。
メタバースも企業からの関心を集めつつあり、多くのIT企業が人々の働き方や交流のあり方が変わりつつあると主張し、独自のXRハードウェアを開発している。Gartnerは、2027年までに大企業の40%が、メタバース関連のプロジェクトでWeb 3とARクラウドを組み合わせて売上高を増やそうとするようになると考えている。
同社はまた、ヒューマンエラーによって発生する問題を素早く解決するために適応型AIシステムが使用されるようになると予想している。例えば、人間が見逃してしまったサイバーセキュリティ上の脆弱性を修正する場合などがこれに当たる。適応型AIシステムは、リアルタイムで変化に適応し、状況に応じて修正する能力を持っているため、変化が激しい環境に適している。
Gartnerは、2023年に企業の経営陣が力を入れるべき最適化に関するトップトレンドとして、デジタル免疫、観測可能なデータ、AIの信頼・リスク・セキュリティ管理を挙げている。
同社は、システムがサイバー攻撃を受けた際のダウンタイムを短縮するには、企業が技術的な弾力性の強化に投資する必要があると述べている。つまり「デジタル的な免疫力が高いシステム」を作る必要があるということだ。Gartnerによれば、デジタル免疫が高いシステムの構築に投資する企業は、2025年までにシステムのダウンタイムを最大で80%短縮できるという。このことは、ビジネス価値と顧客満足度の両方を高めつつ、同時に不安定なIT運用に伴うリスクを緩和することにつながる。