第60回:ひとり情シスのパートナー探しは100社とのコンタクトから
今回は「第60回:ひとり情シスのパートナー探しは100社とのコンタクトから」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
中堅中小企業の少人数情シスやひとり情シスが円滑に社内のIT環境を運営する方法の一つは、外部のパートナーとの連携です。PC関連の保守管理のように一部だけをパートナーに依頼することもあれば、社内システムの仕様検討にコンサルティング段階から入ってもらったり、事業継続計画(BCP)の策定・実行を含めて全面的にお願いしたりすることもあります。いずれにしても、会社のIT戦略や運営を考える上で外部とのパートナーシップは重要です。
昨今のコロナ禍やそれに伴うデジタル化の加速によって、IT人材が枯渇しているのは周知の事実です。そのため、これまでサポートしてくれたパートナーから引き上げを示唆されたり、今まで担当だった信頼の置けるエース級サポートエンジニアから経験の浅いエンジニアに交代されたりしてしまうこともあります。ひとり情シスの方々が集まると、最近は必ず「どこかに良いパートナーさんはいませんか?」という話題が出てくるほどです。
では、どうすれば最適なパートナーに巡り合えるのでしょうか。まずは、パートナーに依頼する部分を明確にすることが大切です。次に、各企業が提供できるサポート範囲を詳細に把握していきます。しかし、こうしたマッチング作業は決して容易ではありません。主力製品やサービス、会社の生い立ちによってパートナーにも得手不得手があります。
また自社のニーズを明確にする上で、必要となるパートナーのタイプも考えておいた方がいいでしょう。情シス自身の手間を減らすためにこちらの指示通りに動いてくれる派遣型エンジニアが必要なこともあれば、情シスの勉強にもなる伴走型エンジニアの方がいい場合もあります。理想としては、提供されるサービスやタイプとこちらが求めるものが完璧に一致する1社とパートナーシップを結ぶことです。そのためには、数多くの企業にコンタクトする必要があります。
驚いたことに、100社を超える企業と面談したひとり情シスの方がいました。100社まではいかなくとも、少なくとも50社にコンタクトしたひとり情シスの方も少なくありません。なるべく低予算で自社に合致するパートナーを探すのは、長い道のりになりそうです。しかし多くの企業と接することにより、自身のセキュリティやITインフラに対する考え方の偏りなど、理解の足りない部分に気付けた方もいました。情シス自身が勉強するきっかけになったこともあるそうです。
現状よりも優れたパートナーがいればすぐにでも切り替えを検討したいと考えて、企業との面談を仕事の一部だと語るひとり情シスの方もいます。その昔、ITベンダーの営業職は、分厚いファイル1冊分にもなる何百件もの見積書を提出しても、契約してくれた顧客はわずか1、2社だけだったということがありました。
現在、ITベンダーはインサイドセールスを使って電話やメールなどで四六時中、営業活動を展開していますので、情シスも企業との接触が容易になっています。相互に最適なパートナーに巡り合うのは、「千のうちわずか三つ」を意味する「千三つ」よりは高い確率かもしれません。ですが、決して簡単に巡り合うことはないようです。