日本のITとDXの意志決定におけるサステナビリティーの認識はまだ低い–ピュア・ストレージ

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 ピュア・ストレージ・ジャパンは7月20日、ITがサステナビリティーの取り組みにどのように貢献できるかの理解度を測るために実施した調査の結果をまとめた「日本のDX推進におけるサステナビリティの現状およびITの課題に関する調査レポート」を発表した。同調査の結果、組織の技術インフラに関するエネルギー使用量の削減目標においてサステナビリティーに注力するためにさらなる努力が必要であることが明らかになったという。

 調査結果について説明した代表取締役社長の田中良幸氏は同社の業績が引き続き好調であることを紹介し、2023年第1四半期の「外付け型OEMストレージシステム市場における前年同期比成長率」の国内市場の平均が6.8%だったのに対し、同社は47.7%成長を達成、市場から大きな支持を得ているとした(図1)。こうした業績からも、HDDからオールフラッシュストレージへ、という大きなトレンドが感じられるが、一方で調査結果からは同社製品がサステナビリティーの観点で優位性を認められて選ばれているとも限らないことが分かる。 図1:2023年第1四半期の前年同期比成長率。業界平均の6.8%に対して7倍ほどの成長率を達成している
※クリックすると拡大画像が見られます

 同氏は「経営陣がサステナビリティーに最優先で取り組んでいると回答したのは、わずか30%だった」とし、一方でサステナビリティーを「CSR(企業の社会的責任)的な位置付けにしている」(52.7%)、「PRキャンペーンのように扱っている」(9.5%)といった回答が過半数を占めたことを紹介した上で、「組織のサステナビリティー目標を検討する際、技術インフラの優先度は低い」との回答が42.7%に達したと指摘した(図2)。

 なお、米・欧のサステナビリティー担当者の86%が「サステナビリティー目標の達成には技術インフラのエネルギー消費量の大幅な削減が必須」と回答しており、サステナビリティーに対して技術インフラがどの程度貢献し得るかという点で日本との認識の差が大きいことが分かる。

 欧米では、従来からの環境意識の高まりに加えて昨今の地政学的情勢の影響でエネルギーコストが上昇していることで、電力消費量などのサステナビリティー目標が企業の業績にも直接的なインパクトを与える状況になっているという。同氏は「日本は欧米の状況を後追いする形になることが多いため、これから意識がどんどん高まっていくことになると見ている」と予測し、国内でも電力料金の値上がりなどが既に始まっていることも指摘した。

 背景となる同社のサステナビリティーへの取り組み状況について説明を行った米Pure Storageの最高技術責任者(CTO) Rob Lee(ロブ・リー)氏は「世界の消費電力の1~2%をデータセンターが消費」「データセンターの消費電力の20~25%をストレージが消費」というデータを紹介し、データ量の増大ペースがさらに加速する中、ストレージの消費電力量削減がグローバルなサステナビリティーのために重要な取り組みになると強調した(図3)。

 同社のストレージシステムは従来のHDDシステムと比較して電力消費が5分の1以下、競合するオールフラッシュシステムと比較した場合は最大5分の1となると同氏は言う。HDDとの比較は直感的に分かりやすいが、競合するオールフラッシュシステムとの比較でもこれほどの大差が付く理由は、競合他社が基本的にSSDなどの半導体メーカーが製造するパッケージを活用しているのに対し、同社はFlashメモリーをチップレベルで購入して独自設計のストレージメディア“DirectFlash”としていることにある。

 DirectFlashは6月に開催された同社のアニュアルイベント「Pure//Accelerate 2023」で75TBのモジュールが紹介されているが、さらに今後はITにあまり容量倍増させていくロードマップも公表している。フットプリントを小さく維持したままで競合に比べて大容量を実現することで、エネルギー効率やスペース効率を高く維持するのが同社のサステナビリティー戦略の根幹となる。

 さらに、同社では「フォークリフト・アップグレード」を排し、サポート契約を維持している限り永続的に最新のテクロジーを使い続けることを可能とするEvergreenプログラムを特徴としているが、こちらも廃棄されるハードウェア量の削減や、アップグレードやリプレイスなどの運用管理作業の削減につながることから、サステナビリティーに寄与することも指摘された(図4)。

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