富士通、川崎重工、SAPジャパン、Skillnoteが製造業のDX支援で協業–基盤サービスの提供計画
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富士通、川崎重工業、SAPジャパン、Skillnoteの4社は、航空機、鉄道、船舶、大型機械など人手による作業への依存度が高い製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するプラットフォームサービスの提供に向け、協業検討を開始した。
同プラットフォームは、川崎重工の航空宇宙システムカンパニーが富士通、SAPジャパンと共に手掛けた「Smart-Kプロジェクト」のノウハウを活用する。同プロジェクトで培われた高品質かつ効率的な業務プロセスを汎用化し、サブスクリプションサービスとして幅広い分野の製造業に提供する。
Smart-Kプロジェクトでは、Production Engineering&Operation (PEO)によって製造現場を統合基幹業務システム(ERP)や製品ライフサイクル管理(PLM)と連携させ、エンジニアリングチェーン(製造過程の一連の流れ)とサプライチェーン(供給網)がワンストップでつながり、技術要求の厳格なフローダウンと製造現場の状況をリアルタイムに把握することに成功した。
また同プラットフォームは、ユーザー主体でシステム導入が可能となるよう、富士通のシステム導入に関するノウハウやコンテンツをサービス化して提供する。さらに、ユーザー企業の主体的な業務変革とシステム運用の継続的な改善を実行できるDXスキルの向上を支援する。
なおシステム導入では、ユーザーがシステムに対する改善要望と開発優先順位を共有して標準に沿ったシステムを育てることを目指す。導入後は、業務上必要なマスター作成支援などのエンジニアリングサービスを提供することで、プラットフォームの利用価値を高めていく。さらにプラットフォーム上のデータ活用と各種SaaSとの連携にも取り組む。
加えて、Skillnoteの技能伝承などの人材育成を支援するSaaS型のサービスを活用することで、同プラットフォームでも、製造現場のスキル管理と製造実行を確実に連携させる。
各社の役割として、富士通はプラットフォームサービスの構築・運営、川崎重工は業務プロセスの提供を担う。SAPジャパンはアプリケーション、プラットフォームの提供、Skillnoteは製造現場のスキル管理・資格管理・教育管理ソリューションの提供を実施する。
今後、プラットフォームサービスの構築、ユーザー企業や各種団体へのヒアリングを進め、周辺の支援サービスのメニュー化を実施する。さらに2023年度上期にかけて航空機エンジンの部品製造などを手掛けるAeroedgeを皮切りに数社でのテストを行い、同年7月のサービスインを目指す。