NTT西ら、「大阪・関西万博」予定地で交通量予測モデルを実証

今回は「NTT西ら、「大阪・関西万博」予定地で交通量予測モデルを実証」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 NTT西日本、中央復建コンサルタンツ、大林組は、「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)の開催予定地である夢洲(ゆめしま)で、大規模工事における工事車両の交通量増大を想定した実証実験を実施している。同実証は2022年11月~2023年3月、夢洲エリアの周辺道路である大阪市此花区・住之江区・港区で行う。

 交通渋滞は、都市の快適な移動を妨げるほか、各種産業の物流を阻害することで生産性の低下を招き、二酸化炭素(CO2)の排出にも大きな影響を及ぼす。そのため近年は、多様な都市交通網の整備などの「ハード面」とMaaS(Mobility as a Service)やパークアンドライド(最寄り駅まで自転車で行く手法)などの「ソフト面」を組み合わせて移動を効率化する取り組みが盛んになっているという。しかし、これらに対応するインフラを整備するための都市開発工事においても多くの工事車両が集中し、周辺道路の混雑が発生することがある。そのため、既存の交通システムを前提とした交通渋滞の抑制も依然として求められている。

 そこで2022年4月に3社は、渋滞の緩和や工事遅延の回避に向けた交通渋滞抑制に関する協業に合意し、交通渋滞の発生が懸念されているエリアとして、2025年の大阪・関西万博の開催予定地である夢洲周辺を例に取り、検討を進めてきた。

 第一弾では、交通量の分析・予測が可能なNTT西日本と中央復建コンサルタンツが異なるアプローチで分析・予測した周辺の交通情報を基に、大林組が工事車両管理に必要な指標や要求精度を定義し、交通量予測モデルを作成した。そして第二弾の今回は、作成した交通量予測モデルを活用し、夢洲周辺の工事現場を想定した工事車両の発生台数に基づいて交通量変化のシミュレーションを行い、効果を確認する。

 実証では、プローブカーデータ(自動車をセンサーと見立て、通信ネットワークなどを通して走行中の自動車から得られる情報)と近隣施設のイベント情報などを活用した交通量の分析、交通量のビッグデータ分析を活用し、交通量予測モデルの効果を確認している。特に、大規模な開発工事における工事車両の増大を想定し、実際に計測した交通量に工事車両の発生量を付加することで、交通量予測モデルに基づく工事車両の時間やルートの変更による交通渋滞抑制やCO2の削減効果を確認する。

 第一弾で作成した交通量予測モデルを活用し、第二弾で工事車両の時間・ルートの変更による交通渋滞抑制やCO2の削減に対する一定の効果が確認できれば、2023年度以降に稼働する工事現場で実証を進めつつ、全国の大規模な開発工事などへの水平展開を目指し、サービスを確立していくという。

 実証においてNTT西日本は、プローブカーデータなどを分析して混雑予測モデルを確立するとともに、交通渋滞抑制に向けた建設工事車両の搬入・搬出などの配車計画の適正化などの制御を検討する。中央復建コンサルタンツは、ビッグデータ分析によるエリア交通の起点/終点分析と、交通工学に基づいて中長期的な交通量の予測を行う。大林組は、大規模工事における車両管理を想定し、予測手法の要件や精度向上による効果を確認するとともに、今後のシステム連携の可能性を検討する。

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