Salesforce、小売業向けにAIを活用した新サービスを発表
今回は「Salesforce、小売業向けにAIを活用した新サービスを発表」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Salesforceは1月23日、小売業の生産性向上と顧客体験強化を目的とした、AIを活用した新サービス「Agentforce for Retail」と「Retail Cloud with Modern POS」を発表した。2〜4月に順次リリースされる。
Agentforce for Retailは、AIエージェントが注文管理、ガイド付きショッピング、予約スケジュール、ロイヤルティプログラムなどの業務を支援することで、従業員は、より複雑なタスクや顧客対応に集中できる。事前に作成したAIエージェントスキルの新しいライブラリが含まれており、注文管理や予約スケジュールといった時間のかかるタスクを自動化するAIエージェントを容易に構築でき、従業員のサービス提供能力と顧客満足度を向上させる。
Retail Cloud with Modern POSは、オンラインおよびオフラインの購入データを統合するクラウドベースのPOSシステム。モバイルPOS、クライアンテリング、エンドレスアイル、オムニチャネル対応などの機能を提供し、店舗やデジタル接点全体で、パーソナライズされたショッピング体験を提供する。
クライアンテリングとは、販売員が顧客と信頼関係を築き、顧客の嗜好に合った商品やサービスを提供する手法のこと。エンドレスアイルとは、商品が実店舗で品切れしていても、その場で自社ECサイトを開き、当該商品を注文できるサービスのことを指す。
今回、Agentforce for Retailには新機能(スキル)が搭載された。「注文管理向けコマーススキル」では、顧客がセルフサービスで注文状況の確認、変更、返品・交換などをできるようにすることで、顧客満足度向上とコスト削減を両立させる。「ガイド付きショッピング向けコマーススキル」では、AIエージェントが顧客一人ひとりに合わせた商品を提案し、会話形式で購入を支援する。「予約スケジュール向けフィールドサービススキル」では、配送・設置・相談などの予約をAIがサポートし、サービス担当者の業務効率化を図る。さらに「ロイヤルティプロモーション作成向けマーケティングスキル」では、顧客データに基づいたロイヤルティプロモーションの作成をAIが支援し、顧客エンゲージメント向上に貢献する。
Retail Cloud with Modern POSでは、顧客データと在庫データをリアルタイムで統合し、AIを活用して顧客プロファイルを作成して、パーソナライズされたサービスを提供する。また、在庫状況をリアルタイムで把握し、効率的な在庫管理を実現する。オムニチャネルフルフィルメントでは顧客に柔軟な配送・交換オプションを提供し、サプライチェーンコストを削減する。店舗スタッフは、レジカウンターから解放され、モバイルデバイスを使用して、どこでも顧客対応や決済処理ができるようになる。またSalesforceとの統合機能やノーコードCMSにより、迅速な導入とカスタマイズが可能だ。
具体的なメリットとしては、買い物履歴や嗜好に基づいた顧客対応が可能になり、倉庫、店舗、ECサイトの在庫状況をリアルタイムで把握できる。また店舗にない商品も、オンラインで注文できるようにし、パーソナライズされた商品レコメンデーションや、効率的な在庫管理を可能にする。さらにBOPIS(店舗受け取り)、BORIS(店舗返品)、オムニエクスチェンジ(オムニチャネルでの交換)など、顧客に柔軟な配送・交換オプションを提供する。
Salesforceの調査によると、小売業者の幹部のうち81%が「非効率的なプロセスやテクノロジーが、従業員の生産性を低下させている」と回答しているという。また店舗スタッフの約78%が顧客に関する一元的かつ実用的なビューを持たず、毎日16以上の異なるアプリケーションやシステムにログインしているため、生産性の低下と分断された購買体験につながっているとしている。
これに対して同社は、SalesforceのModern POSとData Cloudを組み合わせることで、顧客の購買行動全体をリアルタイムで把握できるようになるとしている。