第6回(最終回):Sales DX総点検–顧客中心型のビジネスデザイン
今回は「第6回(最終回):Sales DX総点検–顧客中心型のビジネスデザイン」についてご紹介します。
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「Sales DX総点検」と称して5回にわたり続けてきた本連載も今回が最終回となります。本稿では、これまでの回を振り返りながら、顧客中心型の接点は今後どうあるべきなのかを改めて整理していきます。
第1回でも述べたように、販売従事者は約20年間で約120万人も減少しました。また、日本労働調査組合の調査によれば、「あなたは退職を考えている、もしくは考えたことはありますか」という質問に対して、「はい」が8割を超えました。
さらにGartnerによれば、顧客がサービスや製品の購入を検討している時、営業からの情報収集には、調査時間のうち17%しか費やしていないと分かりました。つまり、営業が顧客の購入意思決定に影響を与えられる機会は、極めて限定的になってしまったのです。
顧客は既に、さまざまなデジタルチャネルを通じて、質の高い情報を独自に入手できるようになってしまったため、営業という顧客接点の存在や役割を大きく見直すべきタイミングであるといえます。
従来、重要な顧客接点を担ってきた「営業」という機能に変わり、近年ではB2B(法人向けビジネス)でもマーケティングという顧客接点が強化されるようになってきました。
第2回で触れたように、アカウントベースドマーケティング(ABM)など、デジタルテクノロジーを活用し、効率的に潜在的な顧客とつながり、関係性を深め、インサイドセールスなどを経由して、リードが営業に引き渡され、商談がスタートします。
既述のように、営業が顧客の意思決定に与えるインパクトは限定的となる一方、マーケティングが担う範囲は従来と比較すると格段に広がり、重要性が高まりました(図1)。
一方で、MQL(マーケティング施策を通じて創出された案件確度の高い見込客)の98%が受注・購入(クロージング)に貢献していないという調査結果もあり、マーケティングの重要性が高まっているにもかかわらず、その実態は必ずしも十分に機能していないとうかがい知れます。
第2回でも触れてきたように、MQLの貢献度を上げるには、スコアリングの見直しや適切にテクノロジーを利用することも重要ですが、その前に営業のストーリーを多少逸脱しても「潜在顧客の反応の良さ」でコンテンツやクリエイティブを露出するようなことをやめ、商談のストーリーに沿ったリードを創出しなければ、営業効率の高い(真に営業を支援する)マーケティングにはならないと説明してきました。