キンドリル日本法人幹部が説く「ITインフラがこれから重視される理由」
今回は「キンドリル日本法人幹部が説く「ITインフラがこれから重視される理由」」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、キンドリルジャパン 専務執行役員 チーフ・ストラテジー・オフィサー ストラテジック・サービス本部長の工藤晶氏と、Trellix セールスエンジニアリング シニアディレクターの櫻井秀光氏の発言を紹介する。
キンドリルジャパンは先頃、新たなサービスを軸とした事業戦略についてオンラインで記者説明会を開いた。工藤氏の冒頭の発言はその会見で、同社が手掛けるITインフラの重要性が今後ますます高まることを強調したものである。
キンドリルジャパンは、親会社の米Kyndrylが米IBMからITインフラのマネージドサービスを引き継ぐ形で2021年9月に事業を開始したのに伴い、日本でも同じタイミングで活動を始めた。同社のソリューションの全体像は、図1の通りである。
ソリューションの内容をはじめとした今回の会見の内容については速報記事をご覧いただくとして、ここでは工藤氏の発言に注目したい。
工藤氏は、日本IBMで長年にわたってコンサルティング事業に従事し、デジタルトランスフォーメーション(DX)にも精通。直近ではSAPジャパンにおよそ3年在籍し、サービス事業を担ってきた。筆者がおよそ8年前に同氏を初めて取材した際には、当時日本でも注目され始めたデザインシンキングについて手ほどきを受けた。今ではDX分野で業界のキーパーソンの一人である。
そんな同氏がキンドリルジャパンの事業開始にジョインして1年余りが経った今回、現職として初めて会見を行った。そこで、会見後の質疑応答で、キンドリルジャパンへジョインした思いと、1年余り経った今の心境について聞いてみた。すると、工藤氏は次のように答えた。
「私がキンドリルにジョインしたのは、幅広いアプリケーションを手掛けているSAPでも、企業に必要なITという観点でいうと最大でも全体の半分しかカバーできないと感じ、これからは全体をカバーしコントロールできるITインフラの存在がますます重要になると思ったからだ。キンドリルが持つITインフラのテクノロジーをうまく活用すれば、それが実現可能になり、日本のDXを次のステージに進めていくことができると考えている」
さらに、こう続けた。
「私はこれまでコンサルティング分野が長かったことから、他のコンサルティングファームにも友人がいるが、その一人から『KyndrylがIBMから独立したことで(これまでIBM内部にあった)ITインフラのさまざまなケイパビリティーがフリーになった』と言われたことがある。設立から1年余り経った今、その言葉通り、当社のオープンなITインフラをさまざまな形で活用していただけるパートナー企業とのエコシステムが大きく広がってきている。このエコシステムが日本のDXを進化させるパワーになると確信している」
キャッチフレーズのような形で表現すれば、「これからのIT/DXはインフラが一番面白い」といったところか。インフラといえば地味な印象もあるが、工藤氏の発言はそんなイメージの払拭にもなりそうだ。