アライドテレシス、AI/MLを用いてITインフラの運用・管理コストを削減

今回は「アライドテレシス、AI/MLを用いてITインフラの運用・管理コストを削減」についてご紹介します。

関連ワード (運用管理等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 アライドテレシスは2月3日、同社独自のSDN(Software Defined Network)技術を基盤とした新たなソリューション「AMF Plus」の提供を開始した。同日に開催された記者発表会では、取締役専務の佐藤朝紀氏と上級執行役員 Global Product Marketing本部 本部長の佐藤誠一郎氏が登壇し、同ソリューションの説明を行った。

 AMF Plusは、人工知能/機械学習(AI/ML)とネットワークを連携し、数値化・機械化することでITインフラの運用管理の手間やコストを削減し、さらにデータの集積と活用でビジネスの成長を支援するソリューション。同ソリューションのコアな技術は、ITインフラ統合管理機能「AMF」として既に同社が提供している。現在では、全世界で2500社以上が導入し、国内における主要顧客の医療機関では500以上の機関が導入しているという。

 佐藤朝紀氏は、AMF Plusの提供について「昨今、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む中、Dのデジタル化は進んでいるが、Xのトランスフォーメーションが課題となっている。AMF Plusがトランスフォーメーションの一助になると確信している」と述べた。

 同社が実施したアンケートによると、「運用管理やコスト、知識・経験に対する懸念」は2014年から2022年にかけて減少しているが、新たに「安全性や安定性に対する不安」が増加。そこで同社は既存のAMFにAI/MLを取り入れ、ネットワーク管理をさらに進化させたAMF Plusとしてリリースするに至ったという。

 AMF Plusには、「1.Unlimited Value Innovation」「2.Beyond Ethernet Limitation」「3.Intent-Based User Experience」――という3つの特徴があると佐藤誠一郎氏は説明した。

 Unlimited Value Innovationは、単体データやシステムのマッチングにより、新たなビジネス価値の創造につなげる。具体的には、AMF Plusを用いることで「疑似人間・AI」のようなことができるという。例えば、医療機関において位置情報と医療IT機器、資産管理DBを連携することで、機器を購入した年数による買い換えではなく、実際の稼働率に基づいた分析から適切な買い換え時期を提案。これにより、効率的な資産管理・運用につながる。また、経験値による属人管理から数値化による自助管理への移行や、複数システムの連携による複合事象への結びつけにより、危険性予測の向上にもなるとしている。

 ほかにも、「設備・運用改善」の面でも同ソリューションは効力を発揮する。同ソリューションでは、ネットワーク機器だけでなく、IT設備のリソース情報を一元管理できるため、インフラ全体の予兆検知や予防保全が可能になる。また、ビル設備と位置情報、各種センサーを連携することで従業員の環境に応じた空調調整による快適性や生産性の向上も期待できるという。

 Beyond Ethernet Limitationにおいては、予兆検知型サポート、非定形型セキュリティでイーサネット(Ethernet)の課題を克服するという。具体的には、AMF Plusを用いることで、同社だけでなく他社のストレージやサードパーティーのデータを常に取得でき、CPUやパケット容量などをダッシュボードから複合的に見ることで予兆検知が可能になるとしている。また、セキュリティについては、「誰でもつながる」というイーサネットの方針を保持しながら、誰からのアクセスなのかを可視化した上で適切な認証とアクセス権限を割り振ることでセキュリティを担保する。

 Intent-Based User Experienceでは、熟練工の技を数値化・機械化する。AMF Plusの機能の一つであるダッシュボード「Network Health Check Monitoring」では、ネットワーク全体を俯瞰(ふかん)し、さまざまな装置の健康状態を可視化できる。これにより、エンジニアの経験から察知していたネットワークの異変を、誰でも検知できるようにするという。

 また、「Autonomous ACL Management」(AACL)では、ネットワーク全体のポリシーをマトリックスで見ることができ、各端末・機器の接続状況やトポロジーを把握できる。マトリックスに定義したアクセスポリシーに応じて、「対象となる」または「割り当てが必要」とされる端末・機器を自動で判別し、アクセスリストに動的に反映する。加えて、「Autonomous QoS Management 」(AQoS)では、ネットワーク上に存在する各機器の個別キューをAI/MLを用いて仮想的に1つの全体キューとして把握し、コントロールすることで、ネットワーク全体の優先制御のバランスを取り、高品質な通信を実現するという。

 AMF Plusは、同社が提供する全ての既存ハードウェアプラットフォーム上で提供。代表機器に「AMF Plus Master License」をインストールし、ネットワーク統合管理ソフトウェア「Vista Manager EX」を追加で導入する必要があるという。

 AMF Plusは、他社製品も網羅したインフラの保守・運用の提供や、データを活用した新たなサービス/ビジネスの確立などの付加価値を提供できることから、新規市場やユーザーを獲得できるとしている。また、既にハードウェアを利用している顧客はMaster LicenseとVista Manager EXを追加導入するだけであるため、非AMFユーザーの取り込みとAMFを利用している顧客の継続および拡張に注力していく。

 同社は、5年後の2028年までにAMF Plusの導入率を約60%、国内で4500件を目指すという。

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