マイクロソフト、「C#は進化させ続ける」「Visual Basicに新しい構文の導入はしない」。.NETのプログラミング言語に関する最新の戦略を明らかに

今回は「マイクロソフト、「C#は進化させ続ける」「Visual Basicに新しい構文の導入はしない」。.NETのプログラミング言語に関する最新の戦略を明らかに」についてご紹介します。

関連ワード (一部、戦略、推進等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


マイクロソフトは、.NETでサポートする3つのプログラミング言語「C#」「F#」「Visual Basic」の今後に関する戦略を、最新版にアップデートしたことを明らかにしました。

下記はマイクロソフトで.NETのプリンシパルプログラムマネージャを務めるKathleen Dollard氏のツイート。

We've updated our .NET Language Strategy. You can read more and get the links here: https://t.co/SsmZJBSEUA

— Kathleen Dollard (@KathleenDollard) February 6, 2023

最新版の戦略はこれまでと比べてほとんど変わっておらず、C#は最先端のプログラミング言語であり続けるために今後も進化させ続けること、Visual Basicは新しい構文の追加はせず安定した言語として維持していくこと、F#はコミュニティに頼りつつ進化させていくことなどが示されました。

公開されたドキュメント「Microsoft .NET language strategy」から、それぞれの言語の戦略を詳しく見ていきましょう。

C#は最先端のプログラミング言語であり続ける

C#は.NETの主力言語であり、もっとも広く使われています。クロスプラットフォーム対応の汎用言語であり、高いパフォーマンスの実現とコードの安全性、そして開発者の生産性向上を実現しています。

C#に関する戦略の一部を引用しましょう。

We will keep evolving C# to meet the changing needs of developers and remain a state-of-the-art programming language. We will innovate eagerly and broadly in collaboration with the teams responsible for .NET libraries, developer tools, and workload support, while being careful to stay within the spirit of the language.

私たちはC#を、開発者のニーズの変化に対応した最先端のプログラミング言語であり続けるために、進化させ続けていきます。この言語が備えるスピリットを大事にしつつ、.NETライブラリ、開発ツール、ワークロードサポートなどを担当するチームそれぞれと協力し、積極的かつ広範囲な革新を行うつもりです。

プログラミング言語の世界では、GoやDart、Rustなど、新しいアイデアや構文を積極的に取り入れているプログラミング言語の人気が高まりつつありますし、現在ではJavaも半年ごとにアップデートが行われています。

C#はこうしたプログラミング言語の競争のなかで、進化に遅れをとることなく積極的に進化させていくことが戦略の柱となっているようです。

Visual Basicは親しみやすさを維持し、構文追加はしない

Visual Basicは、分かりやすく親しみやすいプログラミング言語として根強い人気と長い歴史を持つプログラミング言語です。根強いファンも多くいるため、Visual Basicの今後が気になる人も多いはずです。

Visual Basic#に関する戦略を引用しましょう。

We will ensure Visual Basic remains a straightforward and approachable language with a stable design. The core libraries of .NET (such as the BCL) will support VB and many of the improvements to the .NET Runtime and libraries will automatically benefit VB. When C# or the .NET Runtime introduce new features that would require language support, VB will generally adopt a consumption-only approach and avoid new syntax.

私たちは、Visual Basicがこれからも、分かりやすく、親しみやすく、安定した言語であり続けることを確約します。.NETのコアライブラリ(BCLなど)はVBをサポートすることになるため、.NETランタイムとライブラリに対する改善の多くは自動的にVBにも恩恵をもたらします。 C#や.NET Runtimeが言語によるサポートを必要とするような新機能を導入した場合でも、VBは基本的にはそれを利用するだけのアプローチを採用し、新しい構文の導入はしない予定です。

C#とは対照的に、Visual Basicは新しい構文の追加などはせず、これまでと同じように記述できて実行できるという安定性こそ最大の価値とする戦略のようです。

F#はコミュニティと協力して進化させていく

F#は、OCamlをベースに開発が始められた、表現力、シンプルさ、エレガンスさに重点が置かれたプログラミング言語です。デフォルトで式ベースかつイミュータブルだとされています。

下記がF#に関する戦略の引用です。

We will drive F# evolution and support the F# ecosystem with language leadership and governance. We will encourage community contributions to improve the F# language and developer experience. We will continue to rely on the community to provide important libraries, developer tools and workload support.

私たちは言語に関するリーダーシップとガバナンスによって、F#の進化の推進とF#エコシステムのサポートを行っていきます。F#の言語と開発者体験を向上させるために、コミュニティによる貢献を奨励します。そして重要なライブラリ、開発ツール、ワークロードのサポートなどは引き続きコミュニティに依存していく予定です。

F#はコミュニティと協力して進化させていくことを中心に考えているようです。

こうして3つの言語を並べて見ていくと、それぞれ異なる言語の戦略の違いがよく分かります。特にVisual Basicは今後も安定させつつ維持していくことに安心した方は多いのではないでしょうか。

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