データサイエンティスト500人–リコー新中計にみるデジタル人材の重要性

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 リコーは3月7日、2023~2025年度の第21次中期経営計画説明会を開催した。取締役 コーポレート専務執行役員 大山晃氏(4月に代表取締役 社長執行役員 最高経営責任者=CEOに就任予定)は「“はたらく”に歓(よろこ)びを」と自社が目指す姿勢を強調。第21次中期経営の基本方針として(1)「地域戦略の強化とグループ経営の進化」、(2)「現場・社会の領域における収益の柱を構築」、(3)「グローバル人材の活躍」――を掲げた。

 大山氏は、2020~2022年度の第20次中期経営計画を「売上高は2兆円を上回る見通しだが、営業利益は部品不足やIT商材不足などオフィスサービスの成長が鈍化してしまった。他にも製造業の原価低減、コロナ禍も影響した」と振り返りつつ、3つの改善点を次のように説明した。

 1つはデジタルサービス企業として収益構造を増加する過程で、ストック利益の積み上げによる安定的な収益原の確保。もう1つは環境変化への対応力向上。同社は2年間の活動を踏まえて、弾力性のある生産供給体制の構築を目指す。最後は現場のデジタル化領域で柱となる収益の育成。大山氏は「オフィス事業に新しい収益源を確立させるのが次の中計における改善点」であると説明した。

 第21次中期経営計画の主要評価指標(KPI)の目標としては、デジタルサービスの売上比率が60%以上、ストック利益が18%増、非オフィスプリンティングの比率は54%、社員1人当たりの稼ぐ力を70%増――を掲げている。

 第21次中期経営計画の基本方針は、冒頭で述べたように3つ。

 (1)「地域戦略の強化とグループ経営の進化」は、従来のOAメーカー型からデジタルサービス型企業への転換を意味し、業種向けソリューションとして「RICOHスクラムアセット」の展開を強化するとともに、北米や欧州で買収した企業と本社、買収企業同士の相乗作用を目指す。

 リコーや他社のアプリケーションをリコー製複合機をハブにして利用できるクラウドプラットフォーム「RICOH Smart Integration」(RSI)を複合機と業務プロセスの連携にとどめず、同社が過去に買収した企業のデジタルサービスを追加することで、「顧客サービス提供能力が各地域で活用し、素早く回すことで提供能力が増加する。シナジーを回すのに非常に有効なプラットフォーム」(大山氏)を目指す。

 (2)「現場・社会領域で核となる収益の構築」は、リコーが培った技術を基に社会課題の解決に取り組みつつ、オフィス外の領域でもストック収益拡大の指向を意味する。大山氏はオフィス外の領域を「現場はアナログであることが多く、当社の技術で新たなビジネスを開発したい。現場・社会領域の課題解決に直結する当社サポートも生み出せる」と説明した。

 例えば、3D Systemsが開発する3Dプリンターの「Binder Jetting」方式で培った技術を電池材料印刷や自動車外板向けデジタル塗装に活用。植物などの糖分を原料とした植物由来のプラスチック素材である「PLAiR」、iPS細胞を用いた医薬品や診断薬の創出基盤を、連結子会社化したElixirgen Scientificやベンチャー支援ファンド設立で整備環境の構築を目指す。

 (3)「グローバル人材の活躍」は、以前の中期経営計画から取り組んできたが、大山氏は「ご承知の通り人的資本は、その人の能力、スキルを資本にする考え方。われわれは人に対しても積極的に投資する」と述べながら、自律型人材を基にデジタル人材のスキルレベル向上や増加、従業員一人一人の収益率拡大を目指した人材資産構成管理に取り組む。

 同社でITスキル標準(ITSS)レベル3を取得した人材は、2020年度に1459人、2022年度は53%増の2235人。第21次中期経営計画では、ビジネスプロデューサー/ビジネスデザイナーを500人、クラウドアーキテクト1000人、データサイエンティスト500人、情報セキュリティ人材2000人までの拡充を目指す。さらに国内の取り込み結果を軸にグローバル展開も予定している。

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