過去の「ガクチカ」ではなく未来の「Will」へ–日立、24年度の新卒採用計画発表

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 日立製作所(日立)は3月10日、2024年度の新卒採用計画と2023年度入社の経験者採用計画を策定したと発表した。日立は社会イノベーション事業をグローバルに展開する上で、「人材」を重要な資本と位置付け、ジョブ型人材マネジメントに基づき多様な人材が活躍できる組織づくりに取り組んでいる。

 採用活動においても、候補者のキャリア要望と各ジョブのマッチングを意識した「パーソナライズ採用」を推進している。2024年度採用計画では、大学入学時からコロナ禍を経験している世代が初めて就職活動を迎えることを考慮して選考を進めるなど、新たな取り組みを行う。

 また、新卒採用と経験者採用の比率を初めて1対1とし、大学・大学院・高等専門学校(高専)卒業予定者600人、高等学校・短大・専門学校卒業予定者50人、経験者600人、合計1250人を採用する。

 コロナ禍が学生生活に大きな影響を与える中、日立は会社が設定した質問に学生が動画で回答する「オンデマンド面接」、リクルートスーツの着用を不要とする「ドレスコードフリー採用」など、柔軟な採用活動を展開してきた。2023年に就職活動を迎える大学4年生は、入学当初から対面での活動が制限されていた初めての世代であり、学生時代に力を入れたこと(通称「ガクチカ」)のアピールが難しいという声が多く挙がっている。

 そこで同社は、応募書類や面接でのガクチカに関する質問を、応募者の強みや潜在能力を引き出す選考方法や質問に改める。具体的には、最終面接において「入社後、どの職種で、日立のリソースを用いて、どのように社会課題の解決に取り組みたいか。それはなぜか」について発表する「プレゼン選考」を導入し、応募者の将来志向やキャリア観(Will)、強み・行動特性(Can)、希望職種とのマッチング(Must)の3点を引き出す。ジョブ型人材マネジメントを進める同社は、応募者の就職活動時のキャリア観を入社後の自律的なキャリア形成につなげ、採用後のミスマッチを減らすことも図っている。

 日立はジョブ型人材マネジメントに基づいた採用に向けて、「青田創り」「高度専門人材の育成・採用強化」「アルムナイネットワークの運用」「経験者採用のさらなる拡大」に取り組む。

 同社は採用活動において政府が定める「就職・採用活動に関する要請」を順守しつつ、高校生や大学1~2年生を対象に、教育機関、民間企業、政府機関、各種団体などと連携しながら、学生のキャリア観の醸成を図る「青田創り」に取り組む。具体的には、これまで実施してきた「ジョブ型インターンシップ」を継続するほか、会社や業界の垣根を越えたイベントの開催、大学などと連携した各種講義への講師派遣などを行う。

 同社は博士課程学生について、研究開発部門や設計開発部門を中心に毎年30人程度を採用してきたが、将来の社会/顧客課題解決に向けた「破壊的イノベーション」を創出する高度専門人材の役割が一層大きくなっていることから、博士課程学生の採用を強化する。

 具体的には、「文部科学省ジョブ型研究インターンシップ」をはじめ、博士課程学生を対象とした長期・有給インターンシップについて、受け入れ規模を2022年度実績の約1.5倍に拡大する。同インターンシップにより、学生は企業研究における学会発表や製品・サービスなどへの技術実装などを経験できる。一方、企業は学生のアカデミア研究の専門性と知見を取り入れることができ、より精度の高い採用マッチングも期待される。期間は2カ月~1年間ほどで、従業員と同水準の報酬を支給する。

 加えて、研究開発部門における通年での経験者採用、国内外各種学会での学生との接点創出、個別のアプローチや大学研究室との連携など、多様なチャネルを用いて高度専門人材の採用を強化する。

 ジョブ型人材マネジメントにおいて入社は「就社」ではなく「就職」であるため、キャリアの中で日立の外に活躍の場を求めることや、一度退職した従業員が再び戻ってくることが想定される。これを踏まえ、入社から退職まで画一的な直線型ではない柔軟なキャリア形成を促進するため、2023年3月から「アルムナイネットワーク」を構築・運用する。ウェブ上の登録データベースを通して、今後同社を退職する人材や退職している人材と積極的にコミュニケーションを図り、社内外の経験を併せ持つ多様な人材の獲得につなげる。

 ジョブ型人材マネジメントへの転換を進める中、即戦力として活躍可能な専門性を有する人材を獲得するため、同社はこれまでも経験者採用を拡大しており、2015年度に150人だった経験者採用人数を2023年度に600人とする。これにより、同社として初めて新卒採用と経験者採用の比率が1対1となる。

 そのほか日立は、「ジョブ型インターンシップ」「通年採用」「専門性を考慮した採用」「求めるアビリティーの開示」にも取り組む。

 ジョブ型インターンシップでは2022年度、「ジョブ型研究インターンシップ推進委員会」(文部科学省、経団連)や「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(経団連)などにおける産学間の議論を踏まえ、ジョブディスクリプション(職務記述書)をあらかじめ明示し、約600人の学生に長期間かつ実際の職場で実務を体験してもらった。2023年度もキャリアを検討する機会として、学生に実際の職場での就業経験を提供する。

 通年採用では、政府の「就職・採用活動に関する要請」を踏まえつつ、新卒採用(技術系職種、事務系職種)、経験者採用共に、1年間を通じて応募を受け付ける。海外への留学や年度途中の進路変更など、さまざまな理由で国内の就職活動のピーク時期に応募が難しい人材も応募できる仕組みを構築する。

 専門性を考慮した採用では、新卒採用において研究開発、設計開発、システムエンジニアなどの技術系職種が対象の「Job Matching」、営業、資材調達、経理財務、人事などの事務系職種が対象の「職種別採用コース」により、専門性を適正に評価し、各ジョブとのより精度の高いマッチングに取り組む。Job Matchingでは、学生自身が希望の配属先を選択し、選択に応じて配属などを確約する。職種別採用コースでは、応募時に希望職種を選択し、選考を経て内定時にその職種への配属が決まる。2023年度採用計画では、事務系応募者のうち約40%が同コースを選択している。

 また、技術系職種では2021年度採用計画から「デジタル人財採用コース」を設けており、毎年40人程度を採用している。この取り組みは2024年度採用計画においても継続・強化し、「Lumada」事業の成長加速を実現するデジタル人材を確保・育成する。デジタル人財採用コースでは、デジタル分野の研究開発職やデータサイエンティストなどの職務を特定し、その職務への配属を確約するとともに、処遇についても対象者の技能や経験、職務の内容などを考慮し、学歴別一律の初任給額ではなく個別に設定する。

 求めるアビリティーの開示では、新卒採用において「専門性」「リベラルアーツ」「ダイバーシティー(多様性)を受け容れるマインド」の3つの知識や素養が必要だとし、ジョブ型人材マネジメントに基づく採用活動を行う。

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