持続可能性をビジネスプロセスの一部に–ペプシコが活用するイノベーション
今回は「持続可能性をビジネスプロセスの一部に–ペプシコが活用するイノベーション」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、テクノロジーとサステナブルな未来等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
持続可能性は、冷たい炭酸飲料の缶を開けたときに最初に思い浮かぶものではないかもしれないが、PepsiCoの最高戦略および変革責任者のAthina Kanioura氏によると、同社のアプローチの根幹には、環境に良い影響を与えたいという願いがあるという。
PepsiCoは、AIを用いた工場の水漏れの防止、製品陳列棚に使うバイオベースの熱可塑性プラスチックの開発、規制要件への対応を目的としたカスタムメイドのデータプラットフォームなど、自社製品を可能な限り持続可能な方法で生産、出荷、販売しようと懸命に努力している。
「これは当社に不可欠な要素だ」とKanioura氏は語る。「食品のバリューチェーン、当社がサービスを提供するコミュニティー、そして当社の製品を製造する人や購入する人のために、好ましい環境を作り出すことが極めて重要だ」
PepsiCoの持続可能性への取り組みは「pep+(PepsiCo Positive)」として知られている。会長兼最高経営責任者(CEO)のRamon Laguarta氏はpep+について、「PepsiCoの未来」であり、同社の活動とその方法の根本的な変革だと説明した。
Kanioura氏によると、テクノロジーはPepsiCoの変革を支える重要な役割を果たしており、同社は複数のレンズを通して持続可能性を見ているという。
そのレンズの1つがポートフォリオだ。これは炭酸飲料の缶やチップスの袋など、同社が製造する製品を対象としている。別のレンズは、梱包と、プラスチックから生分解性素材への移行が中心だ。最後に、特に目標の達成とイノベーションの推進に関して、農業と気候変動の分野で大規模な取り組みがある。
PepsiCoは全世界で約25万人を雇用しており、特に環境、社会、ガバナンス(ESG)規制へのコンプライアンス対応のために、さまざまなデータ主導のテクノロジーを社内で開発している。
しかし、同社はイノベーションがチームスポーツであることも認識しているため、外部の組織と協力して、持続可能性の困難な課題に対する革新的なソリューションを開発している。
「多様な能力に対応できるよう、複数のパートナーがいる」とKanioura氏。「テクノロジーのスタートアップ、または実績ある企業とともに、この分野における特定の問題に対処している」
スタートアップとの協業で指揮をとるのは、PepsiCo LabsのバイスプレジデントのDavid Schwartz氏だ。このラボはKanioura氏の管理下にある専門家チームで、イノベーションの活用を任務としている。
PepsiCo Labsはこれまでに200カ国以上の30社を超えるスタートアップと連携してきた。Schwartz氏は2022年、米ZDNETに対し、多様な製品によってPepsiCoの持続可能性の目標達成を支える同ラボの取り組みについて説明した。
たとえば、テクノロジー企業WINTとの提携では、人工知能を使用してPepsiCoの工場での水漏れを防止している。このシステムにより、年間の水消費量を推定で最大25%削減できるという。
トルコでは、Pulse IndustrialおよびBrenPowerと協力し、AIシステムによってPepsiCo工場のスチームトラップの故障を監視、検出している。