SAPジャパン鈴木社長に聞く、顧客と社員の満足度を推進する中期変革プログラムの狙い
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ERPなどのソフトウェアビジネスを展開するSAPジャパンが、2024年1月から新たな中期変革プログラムをスタートした。SAPジャパン 代表取締役社長の鈴木洋史氏は「認知度と業績で、ナンバーワンのクラウドカンパニーになる」と語り、サービスや製品を通じてユーザーと社員、パートナー、社会を元気にし、さらなる成長を遂げるという。
パートナーのシステムインテグレーター(SIer)には、クリーンコアと呼ぶERPに業務を合わせるノンカスタマイズと人月ビジネスからの転換を提案する。2020年に日本法人の社長に就任した鈴木氏に、変革への道のりを聞いた。
–SAPはどのような変遷を遂げてきたのか。
SAPは1972年に設立した。ドイツIBMのエンジニア5人が生産管理システムを開発したが、当時はハードで稼ぐ時代で、ソフトはおまけで相手にされなかった。そこでスピンアウトし、共通部分をパッケージにした。標準化で一気に成長し、40年間はERP一本の売り切り型で、保守でもうけるビジネスモデルを展開した。いわば、プロダクトアウトの発想だ。
ところが、2008年のリーマンショックで初めて売り上げ成長が止まった。踊り場に差し掛かり、いろいろな施策を打った。その1つが保守料金を18%から22%に引き上げたことだ。新サービスを付け加えるなどをしたものの、顧客からの反感を買った。
–そうした中で、クラウドへのシフトを決断する。
「オンプレ一本で変える必要があるのか」といった意見もあったが、8人のボードメンバーはクラウドにかじを切った。その1人が今の最高経営責任者(CEO)のChristian Klein(クリスチャン・クライン)だ。そこからクラウドにシフトし、ERP以外の人事や経費精算、調達などのSaaSなどを合併・買収(M&A)し、ERPと連携させた。結果、2010年から年率平均9%で成長する。マーケットを見て、ユーザーの課題を解決するようになった。