「ChatGPT」への質問の仕方–期待通りの回答を引き出すポイント
今回は「「ChatGPT」への質問の仕方–期待通りの回答を引き出すポイント」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「GIGO」という頭字語の起源は、1957年にまでさかのぼる。米陸軍のWilliam Mellin氏が、コンピューターの能力は何を入力するかで決まることを新聞記者に説明したときの言葉だ。「Garbage In, Garbage Out」(ごみを入力するとごみが出力される)を意味するGIGOは、1957年の巨大な真空管式コンピューターと同じくらい、現代の驚異的な生成系AIツールにも当てはまる。
「ChatGPT」のようなAIの場合、Garbage InとGarbage Outの両方の機会が多数ある。AIには訓練の一環としてどのようなデータが入力されたのか全く分からないという点に注意してほしい。分かっているのは、ChatGPTの事実認識が米国の政治家と同じように非常に変わりやすいということだ。実際に、OpenAI(ChatGPTの開発元)の共同創設者であるJohn Schulman氏は次のように語っている。「最大の懸念は事実の正確性だった。このモデルは物事をでっち上げるのが好きだからだ」
プロンプトがどれほど適切であっても、ChatGPTが何かをでっち上げる可能性は常にある、ということを覚えておいてほしい。とはいえ、プロンプトを作成して可能な限り最良の結果を得るためにできることは数多くある。その方法を説明するのが今回のハウツー記事だ。
GIGOを回避する最善の方法は、ChatGPT内の大規模言語モデル(LLM)が可能な限り最良の答えを返すように促すプロンプトを作成することだ。
むしろ、効果的なプロンプトを作成すること自体が「プロンプトエンジニアリング」という高収入の分野になった。米ZDNETのSabrina Ortiz記者が、「Do you like asking ChatGPT questions? You could get paid (a lot) for it」という記事で、この新しい雇用分野について解説している。
そのため、本記事の続きをしっかりと読んでほしい。これを読んだことがきっかけで、高給取りのプロンプトエンジニアになるためのスキルを身に付けられるかもしれない。この仕事の年収は17万5000~33万5000ドルのようだ。幸運を祈る。
ChatGPTを使用するにあたり、慣れなければならなかった興味深いことの1つは、プログラムするのではなく、会話するということだ。正式な訓練を受けたプログラマーである筆者は、ChatGPTを扱う際に、多くの習慣をいったん忘れる必要があった。ChatGPTに話しかける(そして会話をする)ときは、考え方を変えなければならない。
「人間と話すようにAIと話す」と書いたのは、同僚やチームメンバーが相手であるかのように話すという意味だ。それが難しいなら、名前をつけてみよう。「Alexa」はすでに使われているので、たとえば「Bob」はどうだろうか。この方法は効果がある。Bobに話しかけるときは、会話の詳細、物語に質感を添える小さなエピソード、多様な可能性などを含めることがあるからだ。
人間と話すとき、相手が自分の言いたいことをすぐには理解せず、より明確な説明が必要になることはよくある。また、相手が話題から脱線し、元の話題に戻す必要があるということも珍しくない。背景の説明や複雑な質問をするのも自然なことだし、相手の返答を踏まえてもっと詳しく聞いたり質問を別の言葉で言い換えたりするのも普通のことだ。
これらすべてが、ChatGPTとの会話にも当てはまる。
ChatGPTのプロンプトの作成は、一文の質問をするだけで済むわけではない。多くの場合、関連する背景情報を提供して、クエリのコンテキストを設定することになる。
たとえば、マラソンに向けて準備をしたいとしよう。ChatGPTに次のように尋ねるかもしれない
だが、最初のマラソンに向けてトレーニングしていることを伝えると、質問のニュアンスが格段に明確になり、得られる答えがもっと自分のニーズに合ったものにあるだろう。たとえば、以下のように質問する。
ChatGPTに与える情報を大幅に増やすことで、より的確で有益な答えを得られることが分かっただろうか。ちなみに、筆者はランニングもダンスもジャンプもしない。これは単なる例だ。筆者がマラソンをすることは絶対にない(シートの下に「V-Twin」モーターを搭載したバイクで走ってもいいなら話は別だが)。コンテキストを提供する質問の例をさらに2つ紹介しよう。