信頼性とスピードを兼ね備えた「CachyOS」–「Arch Linux」を試したい人向け
今回は「信頼性とスピードを兼ね備えた「CachyOS」–「Arch Linux」を試したい人向け」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「Arch Linux」は、ほんの数年まで、「Ubuntu」と「Gentoo Linux」の間で漠然と位置付けられてきた。別の言い方をすれば、Arch Linuxは、(Ubuntuのような)非常に使いやすいLinuxディストリビューションだとも、(Gentooのような)非常に挑戦的なものだとも思われていなかった。Gentooと同じように、Arch Linuxはそもそもインストールすること自体が難しかった。もちろんできないわけではないのだが、普通のユーザーにとってはかなり分かりにくい部類だったと言っていいだろう。
しかしそれから数年が経ち、Archベースのディストリビューションが登場し始めたことで、Arch Linuxのインストールは簡単になり、アプリケーションのインストールのような簡単な作業をコマンドラインで行う必要はなくなった。今ではArchベースのディストリビューションは数多く存在しており、そのすべてが、あらゆることをシンプルにしようと全力を尽くしている。
Arch Linuxベースの新しいディストリビューションの1つに、「CachyOS」と呼ばれるものがある。公式サイトでは、「CachyOSは、電光石火のスピードと安定性を提供し、使うたびにスムーズで楽しいコンピューティングを経験できるように設計されている。経験豊富なLinuxユーザーか、これからLinuxを使い始める人かを問わず、強力でカスタマイズ性が高く、超高速なOSを求めている人にとって、CachyOSは理想的な選択になるだろう」と説明されている。
CachyOSが高速な理由の1つは、デフォルトでXFSファイルシステムを採用したことにある。これはデスクトップOSとしては興味深い選択だと言えるだろう。なぜならXFSは、巨大なファイルに対応しており、システムがクラッシュした場合でもファイルシステムの整合性を保てるように設計されているジャーナリングファイルシステムの1つだからだ。XFSは90年代の初め頃から存在しているが、通常は大規模なサーバーやストレージアレイで使用されている。
CachyOSを他のLinuxディストリビューション(すべて仮想マシン上で実行したもの)と比較した場合、「Ubuntu 23.04」や「Fedora Linux 38」、「Kubuntu」、「Universal Blue」、「Pop!_OS」よりもはるかに高速だとは感じない。
しかし、CachyOSはなかなかのものだ。普段から多数のOSを同じ条件で比較しているような人以外なら、このArchベースのディストリビューションは高性能に感じられるだろう。実際、CachyOSは、いくつかの面では非常に高速だった(これについては後でもう少し説明する)。RAMとCPUの処理速度が十分であれば、CachyOSは非常に優れた性能を発揮する。また、ジャーナリングファイルシステムを使用しているため、停電や不測のシャットダウンがあっても、OSやファイルが壊れることはない。予期しないシャットダウンでデータを失ったことがある人なら、この種の保証の重要性は理解できるはずだ。
では、ファイルシステム以外にどのような特徴があるかを見ていこう。