米国の空港で進む顔認識のテスト–過去には議員らが懸念を表明
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米運輸保安局(TSA)は、空港のセキュリティ強化やセキュリティチェックの効率化につながるかどうかを検証するために、米国内の一部の空港で顔認識技術のテストを進めている。このテストでは、乗客が運転免許証やパスポートをTSAのカードリーダーに差し込むと、乗客の顔がカメラで撮影され、身分証明書の写真と比較されることになる。
Associated Pressの報道によれば、この顔認証技術を使えば、TSAが乗客の本人確認を行うことができ、同時に身分証明書が有効なものかどうかを確認できるという。処理が終わり、TSAの係員がセキュリティチェックの結果を承認すると、乗客は飛行機に搭乗できる。
TSAは、この顔認証プロセスは任意であり、うまく行っていると述べているが、米国内の空港で生体認証による監視を行うことに反対する議員もいる。米国の上院議員であるJeffrey Merkley氏、Edward Markey氏、Cory Booker氏、Elizabeth Warren氏、Bernie Sanders氏は2月、TSAに宛てた公開書簡を発表して懸念を表明した。
TSAは、顔認証技術の利用を拒否することは可能だとしているが、議員らは、乗客が拒否できること知らなかったり、拒否する方法が分からなかったりする事態になることを警戒している。Merkley氏は、顔認証スキャナーが利用される場面を目にした際、TSAの職員は乗客に顔認証なしでセキュリティを通過する権利や選択肢があることを伝えていなかったと述べている。
また5人の上院議員は書簡の中で、顔認証技術に人種的バイアスを助長する傾向があることにも言及している。顔認証に使われるソフトウェアは、肌の色が濃い人を誤認する傾向が強いことが知られている。
また議員らは、顔認証技術の利用に透明性や、乗客の同意や、暗号化が欠けており、国民がハッカーやサイバー犯罪者の標的になりやすくなるとして、プライバシー侵害についても懸念している。
議員らは今後について、TSAが乗客の生体認証情報の取り扱いに関する透明性を高めるべきだと述べており、生体認証情報がほかの政府機関と共有されるのか、TSAがデータをどのように安全に保管するのか、乗客が顔認証を拒否した場合に不利益を受けることはないのか、TSAは顔認証ソフトウェアの精度や量に関するデータは公開されるのかといった情報を明らかにするよう求めている。