NTTが最新技術を披露–操作者の動きを推測する遠隔ロボなど革新の息吹
今回は「NTTが最新技術を披露–操作者の動きを推測する遠隔ロボなど革新の息吹」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
京都府に拠点を置くNTTコミュニケーション科学基礎研究所(SC研)は、NTT西日本のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」で最新の取り組みを紹介するイベント「NTTコミュニケーション科学基礎研究所オープンハウス2023」を6月1~2日に開催する。
それに先駆けてNTTは5月29日、東京・千代田区で内覧会を実施。QUINTBRIDGEで発表される16展示のうち、「特に良い成果が出ている」「実演できる」といった観点で厳選した5展示を公開した。そのうち3つの展示内容をレポートする。
学校の授業では、基本的に生徒全員が同じ教材を利用しているが、自宅などでの個別学習では生徒一人一人に適した教材や問題を使うことが重要となる。SC研は、独自のAI「Monotonic Variational AutoEncoder」(MVAE)で数多くの解答データを分析し、各生徒のレベルに合った問題を出す手法を研究している。この手法は、あらゆる教科や問題形態に対応するという。
内覧会の体験の場で、記者は英語の問題に3問挑戦した。1~2問目は写真を示す英文を選び、3問目は音声を聞いて単語を正しい順番に並べ替える形式で、1~2問目は正答、3問目は誤答した。この回答結果から、「英文法への理解度」を示す横軸と「欧米文化への理解度」を示す縦軸で構成された座標において、自分の立ち位置が相対的に分かった(図1)。
こうしたデータにより、教職員が補修などを行う際に生徒一人一人の苦手分野を考慮したり、「欧米文化への理解を深めるために、海外ドラマを見てみるのはどうか」などとアドバイスしたりすることが考えられる。正答すると問題の難易度が上がっていく分、達成感の維持が懸念されるが、学力の向上がグラフで可視化されるため、成長を実感できるという。
同手法の強みとして、ITの専門家ではない教職員も仕組みを理解した上で利用できることがある。正答=「1」、誤答=「0」、未回答(まだ解いていない問題)=「?」など回答データがシンプルであるほか、生徒の学力の分布も直感的に把握できるという。学校現場での学習のほか、スポーツのトレーニングや生涯学習での活用も期待される。