業界特化の課題解決に向けたNTT Comの心得とは
今回は「業界特化の課題解決に向けたNTT Comの心得とは」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、松岡功の「今週の明言」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、NTTコミュニケーションズ 常務執行役員 ビジネスソリューション本部長の小島克重氏と、Tenable チーフセキュリティストラテジストのNathan Wenzler氏の発言を紹介する。
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、竹中工務店、清水建設の3社は先頃、建設現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現に向けた協業を開始した。小島氏の冒頭の発言はその共同記者会見で、業界に特化した課題の解決に向けたNTT Comの心得について述べたものである。
この協業では、建築現場において日々行われる工程管理やリソース手配、作業指示などに必要な施工管理情報を、工程表の計画から作業日報に至るまでデジタル化し、これらを連携させることにより、工程と作業をつなぐ施工管理業務全体の生産性向上に取り組んでいく構えだ。
会見の内容は速報記事をご覧いただくとして、ここでは小島氏の冒頭の発言に注目したい。
まずは、今回の協業の背景について、3社の発表資料に分かりやすい説明があったので以下に記しておこう。
「近年、建設業界では時間外労働の上限規制や就業人口の減少、高齢化などの課題に直面しており、DXによる建築現場全体の生産性向上が急務となっている。建築現場では図面に描かれた建築物を工程表で定められたスケジュールに従って施工しており、図面情報についてはビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)を活用したDXが進みつつあるが、工程情報については未だにアナログな管理も多く、DXが進んでいるとは言えなかった。工程管理は建築施工管理の根幹であり、全ての現場員、作業員に関係するため、そのDXがもたらす生産性向上効果は極めて大きいと考えられる」
そこで、今回3社で工程情報に着目した「施工管理業務のDX」を進め、建築施工管理全体の革新と生産性向上を目指す運びとなったわけだ。
今回の発表で会見に臨んだ小島氏、竹中工務店 専務執行役員の丁野成人氏、清水建設 専務執行役員の山﨑明氏は、3社の協業について次のように語った(写真1)。
「当社はさまざまな社会課題や業界課題に対して、デジタル技術を使って課題解決を行っている。特に、業界に特化した課題の解決に向けてはその業界の専門家と一緒に取り組むのがよいと考えており、今回はまさしくその典型的な機会だと理解している。この協業によって、建設業界全体のDX、ひいては日本経済全体の活性化に貢献していきたい」(小島氏)
「NTT Comが持つ通信技術やさまざまな業界で培われたDXの知見を建設業にも生かしていきたい。また、ゼネコン2社が参画することで、オープンでスタンダードな成果を目指したい。協業の成果は、NTT Comのオープンなソリューションとして広くサービス提供していく予定だ」(丁野氏)
「当社は数年前から『デジタルゼネコン』になることを目標にしてきた。今回の協業はまさしくその実現に近づく話で、絶対に乗るべきだと判断して参画した。これによって、建設業全体のDXにつなげていくことができると、大いに期待している」(山﨑氏)
冒頭の発言は、上記の小島氏のコメントから抜粋した。今後、この協業の輪がどれくらい広がっていくか、注目していきたい。