バッファロー、アクセスポイント「WAPS-AX4」発表–“安定稼働”の徹底で法人事業を推進
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バッファローは7月26日、法人向けアクセスポイントのエントリーモデル「WAPS-AX4」を発表した(図1)。出荷開始予定は8月上旬。Wi-Fi6(IEEE 802.11ax)に対応し、5GHz帯では最大1,201Mbps、2.4GHz帯では最大573Mbps(いずれも理論値)での通信が可能。有線LANポートは1GbE×1(PoE受電対応)で、最大128台(各バンドにつき64台)を同時接続できる。
アンテナ内蔵のコンパクトサイズ(W110×H150×D35mm、突起物を除く本体)で、天井の低いホテルや小規模なオフィスでも圧迫感を与えないという。「ゲストポート機能」も搭載し、来訪者向けに社内ネットワークから分離/独立したWi-Fi環境を用意してインターネット接続を提供できる。税込価格は3万8280円。
同社の法人向け事業戦略について説明した常務取締役の横井一紀氏は法人向け事業の強化の一環として「直近5年間で営業拠点を倍増させた」とし、現在は全国に13拠点を展開しているという。さらに、パートナー向けのサポート体制強化として従来は東京と大阪に集中的に配置していたフィールドエンジニアを全国の主要拠点に駐在させる取り組みも進めており、技術支援を行える体制を構築しているとした。
さらに、パートナー支援策としてパートナープログラムの拡充や、機器納入後の運用サポートを無料で行うサービス「法人ポータル」を2020年9月から提供するなど、さまざま支援策を講じているという。
このほか、無線LAN機器などでは相互接続性が重視されることから、エンドユーザーが同社のアクセスポイントにどのようなデバイスを接続しようとしているのかをヒアリングし、デバイスのベンダーと協力して相互動作確認を実施するなどの取り組みにも注力しているとした。横井氏は、これまでの法人事業が右肩上がりで成長を続けてきたことを明かし、「今年度以降も右肩上がりを続けていく」と語った。
法人向けの製品戦略について説明した常務取締役の石丸正弥氏は、法人向け製品の開発で重視しているポイントとして「安定稼働」を挙げた。法人向け製品は一般的に5~7年にわたって使い続けられることになるため、その間に安定して使い続けられることが重要との認識だ。さらに同氏は、価格が上がっては意味がないとのことで「引き算の開発」というキーワードも挙げた。
国内メーカーとして国内ユーザーの声に耳を傾けており、「カタログスペック上の機能のある/なしではなく、本当にお客さまにとって大切なことは何か、どういう使い方をしているのかを理解した上で、開発にものすごくコストが掛かる割にあまり使われない機能は基本やらないという選択をすることもある」と紹介した。
その上で石丸氏は、同社製品では「実環境での使い勝手にこだわっている」として、数年前の「GIGAスクール構想」の際に教育現場に大量導入された際の経験を語った。例えば、教室で先生が「この動画を見て」と生徒に指示すると、40人くらいのクラスの生徒全員が一斉に同じ動画ファイルにアクセスして再生を始めることになる。
同氏はこの状況を「普通の企業ユーザーではあり得ないくらいに負荷が高い使い方」だと指摘した。同時接続数が増えると遅延などのせいでばらつきが生じるため、問題なく再生できた生徒がいる一方で途中で止まってしまう生徒が出るなどした場合、全員が見終わるまで授業を進めることができなくなってしまう。
こうしたトラブルを避けるため、同社は教室の環境を擬似的に再現して40台のクライアントで同時に動画再生するなどの検証を行い、「お客さまの用途・同じシチュエーションで問題ないということを確認して販売した」という。
このほか、学校や法人では一般家庭よりも耐環境性能を高めており、一般家庭では0~40度に対応しているところ、法人向け製品では高温側は50℃までの対応とし、さらに低温側はマイナス10度、野外での使用が想定される機器では内部にヒーターを搭載してマイナス25度からの対応としたモデルもあるなど、安定稼働の実現にさまざまな角度から取り組んでいる(図2)。
最後に、新製品を紹介した事業本部 法人マーケティング部長の富山強氏は中小企業のWi-Fi導入状況に関する調査の結果として「『全社的に導入』が74.5%、『部分的に導入』も含めるとほぼ全ての中小企業で導入済み」とする一方、導入時期については「『10年以上前』が22%、約半数は4~5年以上前に導入された古い機器を使い続けている」という状況であり、「速度の遅さや電波がつながらないことが課題となっているケースが多いため、追加導入やリプレース需要に向けて、通信の安定化・端末数の増加・セキュリティの強化をアピールする」とした。
このほか、新製品発表ではなく予定の表明という形ではあったが、仮想専用線(VPN)ルーター「VR-U500X」「VR-U300W」に統合脅威管理(UTM)機能を有効にするオプションライセンスパックを今冬販売開始予定であることもアナウンスされた。富山氏は「1台当たり1年間で1万円程度の価格を予定しており、既存のUTMのライセンスからするとかなり格安なものではないか」と紹介している。