クアルトリクス、生成AI搭載基盤「XM/os2」を発表–“人間らしさ”増幅に期待
今回は「クアルトリクス、生成AI搭載基盤「XM/os2」を発表–“人間らしさ”増幅に期待」についてご紹介します。
関連ワード (マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
エクスペリエンス管理ツールを提供するQualtricsの日本法人クアルトリクスは8月1日、生成AIを全面的に搭載したプラットフォーム「XM/os2」を発表し、説明会を開催した。SAPの傘下だったQualtricsは2023年6月、テクノロジー投資会社のSilver Lakeによる買収を完了させた。
Qualtricsは今後4年間で、AIのイノベーションに5億ドルを投資するとしている。説明会に登壇した同社で製品・エンジニアリング担当プレジデントを務めるBrad Anderson(ブラッド・アンダーソン)氏は「奇妙に聞こえるかもしれないが、AIは企業やビジネスに一層人間らしさをもたらすだろう。AIは人間と同様に経験から学び、周囲の環境変化に適応する能力を持っている」と所感を述べた。
Qualtricsの生成AIは「ChatGPT」をベースにしているが、自社独自の大規模言語モデル(LLM)の構築にも注力している。生成AIを活用して顧客体験(CX)や従業員体験(EX)を向上させるにはデータのリアルタイム性が一層求められるが、同社は独自のLLMを継続的にアップデートするとともに、顧客独自のLLMを育てていくことで、正しい予測や提案を行えるとしている。
XM/os2の日本語での提供時期は、2023年後半~2024年前半を予定している。クアルトリクスでソリューションエンジニア ディレクターを務める中嶋祐一氏は、XM/os2で提供される機能を複数紹介した。
「Qualtrics Conversational Feedback」は、対話型のアンケート機能。デジタル上のアンケートは従来、回答内容によって次の質問を出し分けていたが、カスタマイズの度合いには限界がある。一方、Conversational Feedbackはリアルタイムに回答内容を理解し、次の質問や適切な対応を提供するという。
例えば、航空会社における機内でのCXに関するアンケートでは、自社サービスを初めて利用した顧客が「長時間の便でファーストクラスを利用したが、ドリンクのサービスが不十分だった」と自由記入欄に書き込むと、Conversational Feedbackはコメントの意味を理解し、人間が対応しているかのように次の質問を自動生成する。説明会で行われたデモンストレーションでは、「ファーストクラスを利用」「自社サービスの利用は初めて」といった事実を考慮し、おわびとして「2万マイルの進呈」を提案した。
「Qualtrics Auto Segment」は、顧客や従業員のセグメンテーションを自動化する機能。同機能は、企業の顧客関係管理(CRM)システムや人事データベース内の情報、アンケート回答などを保管するQualtricsのデータベース「X iD」を基盤としている。
Auto Segmentは顧客や従業員を属性や行動ごとに分類するほか、彼らの情報が変われば、属するグループを変更したり、新たなグループを作成したりして現状を反映したセグメンテーションを行う。
航空会社の場合、マイルの蓄積や幅広い選択肢を好む若年層のノマドワーカー群「Digital nomads」に対し、Auto Segmentは同群の規模、CXの状況、売上全体へのインパクトを可視化。その上で、この群には今後も注力する必要があるのかを判断するとともに、「マイル加算のキャンペーン」「Wi-Fiとラウンジを組み合わせた特別なオファー」など、彼らのエンゲージメントを高める施策を提案する。