ドキュサイン、「DocuSign CLM」を日本で本格展開–契約業務を一元管理

今回は「ドキュサイン、「DocuSign CLM」を日本で本格展開–契約業務を一元管理」についてご紹介します。

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 電子署名を提供するDocuSignの日本法人ドキュサイン・ジャパンは8月25日、同社の契約ライフサイクル管理(CLM)システム「DocuSign CLM」を日本市場で本格展開すると発表した。

 CLMは、契約書の準備から、署名・押印、実行、保管までのフローを一気通貫で管理するソリューション。取引や契約の状況を包括的に把握し、業務フローを最適化することで、関連業務のスピードアップを図る。

 DocuSign CLMは、契約プロセスの作成、交渉、署名・押印、保管、検索・分析・更新といった5つのステップをより簡単、効率的、迅速にすることで、ビジネスの加速化を実現する。

 契約ライフサイクル全体をつなぐ次世代の契約管理を標榜し、(1)マニュアル作業を自動化、(2)複雑なワークフローを統合、(3)不必要なリスクを排除ーーを特徴とする。

 (1)では、契約書の作成や交渉を円滑に進め、修正内容を追跡し、バージョン管理を実行する。文書の生成がシームレスかつより簡単になるよう、法務部など関係部署に承認された表現と、正確な顧客情報が契約書にワンクリックで自動的に入力される。コラボレーションや契約交渉を自動化するため、契約書の確認、赤字修正、バージョン管理の状況の可視化を実現する。いつ、誰が、何を行ったのかを正確に記録する。

 既存のシステムと高度な連携を可能にする柔軟性を持ち、「Salesforce」などのシステムと簡単に連携することが可能。連携したシステムのデータを反映するだけではなく、外部システム上でワークフローを実行できるので、業務効率を向上する。

 (2)では、契約書の作成やレビュー、承認などに関わるビジネスプロセス全ての統合・追跡を可能にする。ワークフローのテンプレート(ひな形)で効率化を向上し、事前に設定した契約回覧の順番/分岐のルールを適用することで、自動のワークフローが数分で実行できる。柔軟性の高いワークフローデザイナーにより、使いやすいドラッグ&ドロップのユーザーインターフェース(UI)、条件設定、ワークフローテンプレートにより、あらゆる組織の契約プロセスをカスタマイズできる。

 (3)では、契約保管場所にて契約書を一元管理し、契約プロセスを標準化し分析する。さらにコンプライアンスの順守を促し、リスクの可視化を可能にする。高い安全性と検索性を備えたレポジトリーは、堅固なセキュリティ管理と監視機能を備えたストレージなので安心であるとともに、高い検索性により必要な契約書をすぐに見つけることができる。厳しい監査にも対応可能な追跡及び監査証跡とレポート機能を備えており、ビジネスインテリジェンスの活用によりリスクを事前に特定できる。

 ドキュサイン・ジャパンでソリューションコンサルティング CLM事業部長を務める蛯子晃仁氏は、DocuSign CLMが「合理的なコンフィギュレーション」により、ワークフローを迅速に実装し、簡単に拡張することができるとアピールする。「直感的なユーザー体験」により、採用率を向上し、従業員の生産性を高める。「企業全体で利用可能な契約ライフサイクル管理」により、ビジネスプロセスを標準化し、組織間の壁を超えて監視レベルを高めるという。

 その他の特徴として、ノーコード・ローコードでの実装、全ての契約に携わるワークフローやビジネスプロセスを一つのプラットフォーム上で管理できるオールインワンでのサービス提供、強固なセキュリティとコンプライアンスの順守、他のDocuSign製品との連携による機能強化などがある。

 また、プランの設計やプロフェッショナルサービスによる実装といった、導入のどの段階でも利用可能なサポートとサービスも提供すると蛯子氏は述べる。

 同社で取締役社長を務める竹内賢佑氏は、63%の企業が電子署名を導入済み・導入予定とする一方で、73%が活用範囲の拡大を検討しており、契約ライフサイクル全体の自動化が増えていると指摘する。「電子署名だけでなく、その前後のプロセスも自動化しなければいけないというニーズが最近は顕著」(同氏)

 多くの組織では複雑な契約ライフサイクルが課題になっており、メールや郵便での契約の送付が担当者ごとに異なる「属人化したプロセス」、ある契約書は紙でキャビネットに、別の契約書はPDFファイルとして担当者のノートPC内に保管されているという「煩雑な文書管理」、その結果としてどのような契約上のリスクがあるのか分からなくなる「リスクのビジビリティー低下」が挙げられるという。

 その一方で、契約管理がビジネスに及ぼす影響は大きく、契約締結の遅れや収益計上の遅延によるセールスサイクルの長期化、セキュリティや機密情報保護の不備による不十分なコンプライアンス・リスク管理、非効率な手作業による顧客への負担による顧客満足度の低下につながると竹内氏。

 企業では現在、顧客関係管理(CRM)、人的資本管理(HCM)、統合基幹業務システム(ERP)といったシステムが使われている。その一方で、契約業務を一元的につかさどるシステムは今まで存在していなかったと竹内氏は語る。「手作業や一部デジタル化されているものを一元的にプラットフォームとして管理するのは非常に大きな効果があるのでは、ということからDocuSign CLMは生まれた」(同氏)

 今回、本格展開を開始するに至ったのは、DocuSign CLMのUIなどが日本語対応され、ドキュサイン・ジャパンの営業・導入支援・サポート体制を含めて準備が整ったためと竹内氏は説明する。

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