日立製作所、AIテキスト解析技術を活用した「特許情報分析サービス」を提供
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日立製作所(日立)は、800社以上が利用している「日立知財ソリューション」を拡充し、新たに「特許情報分析サービス」を10月10日に提供すると発表した。
日立知財ソリューションは、グローバルでの公開特許文献の調査や、社内での知的財産(知財)の管理を支援している。同社ではこれまで、45年以上にわたる特許関連システムの開発ノウハウを活用し、知財部門や発明者のグローバルな特許文献調査を支援する特許情報提供サービス「Shareresearch」と、発明提案から権利維持まで社内の一連の特許業務を一元管理する知的財産管理システム「PALNET/MC6」を提供してきた。
知財部門や企画部門には、知財情報などを活用し経営・事業戦略の立案を図る「IPランドスケープ」実施に必要となる知財情報の分析推進が期待されている。しかし、複雑で難解な知財情報の分析に必要な専門知識やスキルを持つ人材の不足や、特許文献を読み解くには膨大な時間がかかりコストを要するといった課題があった。
10月10日に提供を開始する特許情報分析サービスは、独自のテキスト解析技術などAIを用いて膨大な特許文献を整理・加工し蓄積してきた高精度な解析データを活用し、技術動向などを分析する。また、分析目的に応じたグラフの自動生成機能や、グラフを読み解く際のヒントを与えるガイド機能などを提供し、特許業務に関する専門スキルを持たない人も、知財情報から新たな気付きが得られるような分析を可能にするという。
同サービスは、目的に応じた適切なグラフセットを自動生成し、高精度なデータ分析を可能にする。「競合他社分析」や「技術トレンド探索」といった分析テーマに応じたグラフセットを用意しているため、利用者は目的に合ったテーマを選ぶだけで、適切なグラフで容易に可視化できる。
また、特許文献の内容は、分野や出願人により用いられる言葉が大きく異なるため、高精度なデータ分析が難しいと言われているが、日立は「AI読解支援機能」などの提供を通して整理・加工、蓄積してきた解析データを基に分析できるため、高精度な分析結果を出せるとしている。
特許分析の専門知識やスキルを持たない利用者の支援に向け、分析結果を可視化したグラフを読み取るためのガイドや分析の進め方を提示する機能を提供する。さまざまな観点で分析結果を見ることで新たな気づきを得られやすいほか、システムから提案される次のアクションを参考に効率的な分析ができる。
さらに同サービスでは、Shareresearchとのシームレスな連携により、分析に必要な集合データを作るためのデータのひも付けやデータ加工などの作業時間を大幅に短縮できる。公開特許情報と社内の知財情報とをかけ合わせて分析することで、例えば、将来的な特許取得目標の達成に必要な投資額のシミュレーションが可能になるという。
具体的には、Shareresearchのデータより抽出した競合他社の登録特許の件数推移から将来件数を予測し、PALNET/MC6の自社特許の状況から将来の目標件数を推測した上で、目標件数達成に必要となる投資額を試算するといったこともできるようになる。
特許情報分析サービスの利用価格は個別見積だという。